今回は11月12日にIEAが発刊した最新のWorld Energy Outlook(以下WEO2025)について、まずはそのシナリオをよく見ていきたいと思います。
WEO2025発刊前からの話題は、「CPS(現行政策シナリオ)が復活する」ということでした。4年前に消えたCPSが復活するというニュースに、その背景に昨年来の米国による厳しいIEA批判があるという見方が広まりましたが、IEAはそれを否定しています 。最新のWEOのシナリオの歴史は、下図のようになりました。

図 1 WEOのシナリオ変遷の歴史
CPSは復活したばかりでなく、その位置づけがSTEPS(公表政策シナリオ)と共に「主役」となっていること、また、WEO2021以降は主役だったNZE(2050年CO2排出ネットゼロのシナリオ)が脇役になっていることも、WEO2025の大きな特徴です。以下のWEO2025の章立てから、それが伺えます。
【第22回講座】IEAのWorld Energy Outlook 2025(その1):データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル
「講座:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル」リンク一覧(随時追加予定)
【第3回】「2050年カーボンニュートラル」ってどんな世界?
【第19回】再生可能エネルギー電力-再エネ発電大国はどこ?-
【第22回】IEAのWorld Energy Outlook 2025(その1)(当ページ)