その他  エネルギー・環境  2025.09.10

【第16回講座】太陽光発電のデータから見えること:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル

エネルギー政策
中山 寿美枝

最新の国際再生可能エネルギー機関(IRENA)のレポートで、太陽光発電設備の利用率について「2010年から2024年にかけて、世界のメガソーラーの平均利用率は15%から17.4%に増加した」と報告されています。その理由として、「過積載(overpanaling)の増加」、「(インド、中東など日射量が多い地域への太陽光発電の拡大による)平均日射量の増加」、「両面型パネル採用などによるソーラートラッカーの普及」と3つの原因を挙げています。

では、日本の太陽光発電設備の利用率はどんな傾向なのでしょうか?今回は、経済産業省が公開している太陽光発電のFIT認定設備データと電力会社が公開している電力需給データ(本講座第11で紹介)を使って、日本の太陽光発電の過積載の状況、利用率との関係を調べてみたいと思います。

まず、利用率の定義ですが、分母を「発電設備容量と時間を乗じたもの」、分子を「その時間に実際に発電した電力量」として算定される値です。つまり、最大限可能な発電電力量に対して実際に発電した(=利用された)割合を示す指標です。


全文を読む

【第16回講座】太陽光発電のデータから見えること:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル


「講座:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル」リンク一覧(随時追加予定)

【第1回】世界の低炭素化はどこまで進んでいる?

【第2回】コロナ後のCO2排出量はどうなった?

【第3回】「2050年カーボンニュートラル」ってどんな世界?

【第4回】再エネだけがCO2フリー電力?(当ページ)

【第5回】エネルギーはどこで使われる?

【第6回】世界のエネルギー資源勢力図とその変化

【第7回】便利な電気、電化率からわかること

【第8回】カーボンニュートラルの世界(その2)

【第9回】産業部門にズームイン

【第10回】エネルギーの将来シナリオの変化

【第11回】ここまで開示が進んでいる国内の電力需給データ

【第12回】道路輸送のエネルギー消費はEVで激変?

【第13回】エネルギーデータから見える国の横顔

【第14回】エネルギーデータから見えるASEANの横顔

【第15回】エネルギーの将来シナリオの変化(その2)

【第16回】太陽光発電のデータから見えること(当ページ)