その他  エネルギー・環境  2025.04.24

【第2回講座】コロナ後のCO2排出量はどうなった?:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル

エネルギー政策
中山 寿美枝

国際エネルギー機関(IEA)が20205月に発刊したGlobal Energy Review2020では、新型コロナの影響により2020年のCO2排出量は前年比で約8%減少すると予測していました。以下は、筆者が同報告書の概要と考察をIEEIへ寄稿して、その中で2020年以降のCO2排出量を試算したものを示したものです。

2020年のIEEI寄稿より)
前例として、リーマンショックの時のCO2排出量の変化を見てみると、2009年には前年比で1%減少するが、翌年には6%の増加に転じ、翌年は3%の増加、その後は02%の間の増加率で推移している。あくまで一つの仮定であるが、コロナ禍による2020年の減少の後、CO2排出量がリーマンショック後と同様の年変化を辿ると仮定して2030年までを試算すると、下図の破線のようになる。

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IEA CO2 Emissions from Fuel Combustion 2019, World Energy Outlook 2019から作成


WEO2019の中心シナリオの2025年、2030年のCO2排出量は、この仮定による試算カーブに乗っている。(中略)しかし、経済回復のペースが同じであったとしても、エネルギー供給・需要の両面で低炭素化は進んでいることから、実際のCO2排出量はこの破線カーブを下回ると考えられる。


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【第2回講座】世界の低炭素化はどこまで進んでいる?:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル


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