その他  エネルギー・環境  2025.06.02

【第7回講座】便利な電気、電化率からわかること:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル

エネルギー政策
中山 寿美枝

世界の最終エネルギー消費において、過去50年間で最も大きく増加したのは「電気」です。エネルギー消費合計の増加率2.4倍に対して、電気の消費は5.6倍に増加、つまり電化率(最終エネルギー消費に占める電気の割合)は2倍以上になりました。その理由は、「便利だから」に尽きるでしょう。

便利なエネルギー「電気」は、天然には存在しない二次エネルギーです。では、電気を作っている一次エネルギーは何か、その推移と最新の構成を示したのが図1です。過去50年以上にわたって石炭が最大の電源であり、最新データでも世界の36%の電力を供給しています。石炭に天然ガス、石油を合わせた化石燃料合計の割合は最新で61%で、1971年の74%から低下しています。化石燃料の割合の低下と、化石燃料に占める天然ガス割合増加によって、電力のCO2排出係数(1kWhあたりのCO2排出量)は過去50年間で約3割低下しています。(図1左の実線)


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【第7回講座】便利な電気、電化率からわかること:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル


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【第7回】便利な電気、電化率からわかること(当ページ)

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