本講座第10回では、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook(WEO)の将来シナリオの変化をWEO2010~WEO2024の15年間の比較分析から「WEO2021が歴史的な転換点」だと示しました。今回は、WEO2021~WEO2024の地域別シナリオの分析結果を紹介したいと思います。
WEO2021以降は、2050年カーボンニュートラルを想定したNZEと、カーボンニュートラル宣言をした国は達成すると想定したAPS、そして既に導入されている政策を反映したSTEPSが3つのメインシナリオとなっています。WEOの有料データでは、STEPSとAPSについては地域、主要国ごとのデータを提供していますが、NZEは世界合計値しかありません。(表 1)
表 1 World Energy Outlookの無料データ、有料データの内容
将来 シナリオ |
無料データ 地域区分×対象年 |
有料データ 地域区分×対象年 |
STEPS | 世界 × 2030/2040/2050年 |
世界、地域(北米、中南米、欧州、アフリカ、中東、ユーラシア、アジア太平洋)、主要国(米国、ブラジル、中国、インド、日本、ロシア)、経済圏(EU、ASEAN、OECD、非OECD、新興国および途上国、先進国) × 2030/2035/2040/2045/2050年 |
APS | ||
NZE | 世界 × 2030/2035/2040/2045/2050年 |
【第15回講座】エネルギーの将来シナリオの変化(その2):データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル
「講座:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル」リンク一覧(随時追加予定)
【第3回】「2050年カーボンニュートラル」ってどんな世界?
【第15回】エネルギーの将来シナリオの変化(その2)(当ページ)