その他  エネルギー・環境  2025.08.18

【第15回講座】エネルギーの将来シナリオの変化(その2):データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル

エネルギー政策
中山 寿美枝

本講座第10回では、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook(WEO)の将来シナリオの変化をWEO2010WEO202415年間の比較分析から「WEO2021が歴史的な転換点」だと示しました。今回は、WEO2021WEO2024の地域別シナリオの分析結果を紹介したいと思います。

WEO2021以降は、2050年カーボンニュートラルを想定したNZEと、カーボンニュートラル宣言をした国は達成すると想定したAPS、そして既に導入されている政策を反映したSTEPSが3つのメインシナリオとなっています。WEOの有料データでは、STEPSAPSについては地域、主要国ごとのデータを提供していますが、NZEは世界合計値しかありません。(表 1)

表 1 World Energy Outlookの無料データ、有料データの内容

将来
シナリオ
無料データ
地域区分×対象年
有料データ 地域区分×対象年
STEPS 世界

×

2030/2040/2050年
世界、地域(北米、中南米、欧州、アフリカ、中東、ユーラシア、アジア太平洋)、主要国(米国、ブラジル、中国、インド、日本、ロシア)、経済圏(EUASEANOECD、非OECD、新興国および途上国、先進国)

×

2030/2035/2040/2045/2050年
APS
NZE 世界 × 2030/2035/2040/2045/2050




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【第15回講座】エネルギーの将来シナリオの変化(その2):データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル


「講座:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル」リンク一覧(随時追加予定)

【第1回】世界の低炭素化はどこまで進んでいる?

【第2回】コロナ後のCO2排出量はどうなった?

【第3回】「2050年カーボンニュートラル」ってどんな世界?

【第4回】再エネだけがCO2フリー電力?(当ページ)

【第5回】エネルギーはどこで使われる?

【第6回】世界のエネルギー資源勢力図とその変化

【第7回】便利な電気、電化率からわかること

【第8回】カーボンニュートラルの世界(その2)

【第9回】産業部門にズームイン

【第10回】エネルギーの将来シナリオの変化

【第11回】ここまで開示が進んでいる国内の電力需給データ

【第12回】道路輸送のエネルギー消費はEVで激変?

【第13回】エネルギーデータから見える国の横顔

【第14回】エネルギーデータから見えるASEANの横顔

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