世界のエネルギー需要は、1880年代の産業革命をきっかけに爆発的には増加した、ということは学校で教わった通りです。しかし、1990年代から「低炭素化」が叫ばれるようになり、昨今は脱炭素という言葉もよく耳にします。では、実際に近年のエネルギーはどう変化しているのでしょうか、約50年間の実データで定量的に見てみましょう。以下の図は、世界の人口、GDP、一次エネルギー需要、エネルギー起源CO2排出量(エネ起CO2)の1971年を100とした時のその後の変化を示したグラフです。
このグラフから最初に読み取れるのは、色付きの実践は全て過去50年間において増加傾向であること、でしょう。一つだけ例外は、破線で示した「化石燃料割合(右軸)」で、ほぼ水平線です。これは、世界の一次エネルギー供給に占める化石燃料(石油、石炭、天然ガスの合計)の割合が、過去8割を切ったことがない、ということを示しています。つまり、世界はほとんど「低炭素化」していないのです。
【第1回】講座:データで見るエネルギーとカーボンニュートラル「世界の低炭素化はどこまで進んでいる?」
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