昨今は、報道などで「2050年カーボンニュートラル」という言葉を耳にしたり、目にしたりすることが増えてきたのではないかと思います。「2050ネットゼロ」と同義で、どちらも2050年にCO2排出量を正味ゼロにするという意味です。一体、どんな世界なのでしょうか?環境省のホームページの説明の冒頭は以下の通りです。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。 地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として、 “世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つとともに(2℃目標)、1.5℃に抑える努力を追求すること(1.5℃目標)” “今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること” 等に合意しました。この実現に向けて、世界が取組を進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げています。 |
これで、2050年カーボンニュートラルの位置づけは(不正確ながら )何となくわかるでしょうか。2050年カーボンニュートラルがどんな世界なのかを描いている「シナリオ」が世界にはいくつもありますが、その中で一番著名なのは、国際エネルギー機関IEAの NZEというシナリオでしょう。IEAが2021年に”NZE by 2050”(以下、NZE報告書)で示したシナリオですが、NZE報告書がどんな世界を描いているのか、見ていきましょう。
【第3回講座】「2050年カーボンニュートラル」ってどんな世界?:データで学ぶエネルギーとカーボンニュートラル
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