外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

  • 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、キヤノングローバル戦略研究所としての見解を示すものではありません。
  • 当サイト内の記事を無断で転載することを禁じます。

2012年外交・安保カレンダー アーカイブ

2012年12月24日(月)

外交・安保カレンダー(12月24-30日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


今週は安倍新内閣が始動する。新内閣とはいっても「デジャヴ」というか、2006年以来6年ぶりの返り咲き政権だ。総理自身も、また側近・周辺も、来年のことを考えると複雑な思いだろう。日本のために新内閣が国民の期待に応えるよう期待したい。実は3年前の鳩山政権の時も同様の思いだった。現在の日本は20… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年12月17日(月)

外交・安保カレンダー(12月17-23日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


総選挙の結果は予想以上の自民党大勝だった。当選議員の笑顔とは対照的に、次期総理の顔は常に険しかった。自民党執行部幹部からも「今度は失敗したくない」との思いが伝わってくる。民主党が勝利した3年前との最大の違いはこれだろう。先週ワシントンに出張した。歴史問題等に関する次期総理の発言に懸念を示す… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年12月10日(月)

外交・安保カレンダー(12月10-16日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


今週は日本で総選挙がある。今ワシントンに出張中だが、日本から聞こえてくる下馬評では自民党の圧勝とか。本当だろうか、今回の選挙ばかりは予測不能だ。筆者が「アジア村」と呼ぶワシントンのアジア専門家の小さなコミュニティでもさすがに関心が高い。昨日到着して当地の友人数人から既に話を聞いたが、今のと… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年12月3日(月)

外交・安保カレンダー(12月3-9日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


今週は筆者がアラビア研修で貴重な青春期を過ごしたあの「エジプト」がどうしても気になる。詳しい事実関係を書く余裕はないが、12月15日に予定される新憲法草案の国民投票はモルシー大統領にとって大きな賭けとなるだろう。2日に予定されていた憲法裁判所の審理も物理的に妨害され、反対派国民の不満が高ま… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年11月26日(月)

外交・安保カレンダー(11月26日-12月2日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


先週11月21日にガザをめぐる停戦合意が成立したのも束の間、22日にはモルスィ大統領が大統領権限を大幅に拡大する改正憲法令を発布し、エジプトは再び混乱に陥っている。27日には判事やジャーナリストが無期限ゼネストを呼びかけている。大統領の手法は最近までエジプト軍の最高評議会が使ってきた姑息な… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年11月19日(月)

外交・安保カレンダー(11月19日-25日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


1979年エジプトでアラビア語を学び始めてから30余年、常に不思議に思ってきたことが再び起きた。ガザのハマスがイスラエルにロケットを打ち始めて6日目。欧米メディアのトップニュースはパレスチナ問題だが、日本では何故か小さな記事になる。しかも、内容は陳腐。「イスラエルの空爆、子供も犠牲 誤爆の… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年11月12日(月)

外交・安保カレンダー(11月12日-18日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


今週日本マスコミの関心は中国共産党大会の結果に集中している。常務委員会のメンバーが発表されるのは恐らく15日の1中全会(第18期中央委員会第一回全体会議)だろうが、今のところサプライズがありそうな気配はない。このまま行けば、胡錦濤系政治家たちの形勢はあまり芳しくないかもしれない。そういえば… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年11月5日(月)

外交・安保カレンダー(11月5日-11日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


今週のハイライトは何といっても米国の大統領選挙と中国共産党の党大会だ。米大統領選については米主要マスコミの多くがオバマ大統領の再選を予測しており、あまり血湧きもせず、肉も踊らない。筆者もこうした見方を翻すだけの新しい情報はない。オバマが勝っても負けても、クリントン国務長官は辞任し、恐らく次… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年10月29日(月)

外交・安保カレンダー(10月29日-11月4日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


先週は、温家宝国務院総理の「隠し資産」につきニューヨークタイムスが優れた記事を書いている。これ自体非常に興味深いのだが、中国共産党の党大会まではまだ少し時間があるので、今週は国際エネルギー革命の地政学的意味について考えたい。最近シェールガスなど非在来型エネルギーが注目を集めている。環境問題… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年10月22日(月)

外交・安保カレンダー(10月22-28日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


今週も中東から始めよう。先週行われたパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区内の地方選挙で、ファタハが西岸第二の都市ナブルスなど複数の都市で敗北したという。アッバース自治政府議長にとってはさぞショックだったに違いない。ファタハがハマースと行っている和解協議も今のところ進んでおらず、ファタハへの民… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年10月15日(月)

外交・安保カレンダー(10月15-21日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


15日のEU外相会議では対イラン制裁が議論される。日本の国際ニュースは中国、尖閣、IMF総会ばかりだが、欧米の主要国際関心事は、いつも申し上げるとおり、イランとシリアだ。この座標軸を忘れると、国際情勢がはっきり見えにくくなる。既に報じられているように、黒鉛や各技術関連ソフトウェアや石油・ガ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年10月8日(月)

外交・安保カレンダー(10月8-14日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


先週は米国出張で一回お休みを頂いた。謹んでお詫びを申し上げる。筆者にとって米大統領選挙の分析は、1976年の米国留学時代から続く一種のホビー兼儀式だ。今回は何と10回目になる。久しぶりのワシントン出張だったが、話を聞く友人たちはいずれも20年来の旧友ばかりだから、話は早い。早速オバマ対ロム… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年9月24日(月)

外交・安保カレンダー(9月24-30日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


欧州のユーロ問題は未だ出口が見えない。25日には欧州中銀総裁がドイツを訪問しメルケル首相と会談するが、ドイツが考え方を変える筈はないだろう。一方、今週もチェコ、ギリシャ、ポーランドなどでストライキが予定されている。相変わらずだ。アジアでは、25日に北朝鮮の最高人民会議が開催される。何か新し… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年9月17日(月)

外交・安保カレンダー(9月17-23日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


日本では相変わらず日中関係が注目されている。特に、18日は満州事変の発端となった柳条湖事件の日で、毎年何かが起きる日だ。2010年の尖閣漁船衝突事件の際、たまたま9月18日に筆者は北京にいたが、何となく身の危険を感じたものだ。今年はどうなることやら。それにしても、最近の中国各地での反日デモ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年9月10日(月)

外交・安保カレンダー(9月10-16日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 ただでさえ内向きな日本がますます内を向いている。やれ「維新の会」の国政進出だ、民主党の代表選、自民党総裁選だ、などと国内は実に姦しい。それでは大きな国際ニュースは何かというと、実は、12日の「iPhone5」発表ぐらいしかないようだ。 そこで今週は来週ではなく、10年後、20年後の中国を… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年9月3日(月)

外交・安保カレンダー(9月3-9日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 欧米で夏季休暇が終わり、例年通り、今週は国際会議や会談が目白押しだ。特に、今週はクリントン国務長官のアジア歴訪が注目される。但し、彼女は今回、太平洋島嶼フォーラム出席後、インドネシアからアジアを回るが、日本や韓国には来ない。 中国での最重要議題が南シナ海などでの領土問題になるとの見方もあ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年8月27日(月)

外交・安保カレンダー(8月27日-9月2日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 日本では8月中旬に起きた竹島、尖閣事件がまだ尾を引いている。竹島は先週24日の野田総理臨時記者会見で事実上第一ラウンドは終了。今後は9月7日にも予定される竹島周辺での韓国軍による演習をめぐり第二ラウンドが始まるかもしれない。 客観的かつ公平に見て、今回の韓国大統領のパーフォーマンスは韓国… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年8月20日(月)

外交・安保カレンダー(8月20-26日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 8月15日の香港民間活動家による尖閣上陸事件のおかげで、静かなはずの東京お盆休暇が消え失せた。16日からの5日間でTV取材・生出演依頼が20件、本20日には、生出演依頼が朝昼晩の三回も入り、遂に声まで枯れてしまった。 おかげで締切日直前まで原稿が一行も書けず、実に往生した。このカレンダー… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年8月13日(月)

外交・安保カレンダー(8月13-19日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 ロンドン・オリンピックも終わり、EUは完全にバカンスモードに入ったようだ。今週の欧州大陸の動きといえば、ドイツのルフトハンザ航空が、ストライキを回避するため、客室乗務員の賃上げを提案することぐらいしか予定されていない。 欧州で頑張っているのはフランスの外相ぐらいか。この暑い中で15日から… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年8月6日(月)

外交・安保カレンダー(8月6-12日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 さすが北半球は今や夏の盛り、どの国も休暇中なのだろうか。突発事件などのニュースは入ってくるが、今週はロンドン・オリンピックの競技以外にめぼしい重要政治・経済日程がない。まあ、たまにはこういう週があっても良いだろう。 ところが、驚くことに日本の政界だけはこの暑い中一生懸命仕事をしている、み… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年7月30日(月)

外交・安保カレンダー(7月30日-8月5日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 最近テレビのニュースを見る度に違和感を禁じ得ない。シリアのアレッポで激戦があろうが、共和党のロムニー候補がエルサレムをイスラエルの「首都」と呼ぼうが、何故かトップニュースはロンドン・オリンピックでの日本人選手のメダル獲得だ。 日本人選手がメダルを取って嬉しくない筈はない。だが、それはスポ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年7月23日(月)

外交・安保カレンダー(7月23-29日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週の日本はオスプレイ12機の岩国基地到着で始まった。「最近のマスコミの報道はジャーナリストとしての冷静さをちょっと失っているのではないか」とは、ある見識高いマスコミ人から本日内々聞いた話。こういう人がいる限り、日本のマスコミにも未来はあると思った。 日本ではオスプレイ騒動だが、大半のイ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年7月16日(月)

外交・安保カレンダー(7月16-22日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週か来週に防衛大臣が訪米するはずだ。オスプレイの普天間配備問題については別途書いたので、ここでは繰り返さない。ここは政府の踏ん張りどころである。地元に十分配慮しながら、同盟国としての義務を果たすのは容易なことではない。 先週末、北京の日本大使が一時帰国した。通常この種の動きは相手国に対… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年7月9日(月)

外交・安保カレンダー(7月9-15日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週の原稿を書き始めた頃、エジプトからギョッとするニュースが飛び込んできた。ムールスィ大統領が大統領選決選投票日に解散させられたはずの国民議会に活動再開を命じたという。新大統領と軍部の「出来レース」か、それとも「ガチンコ」か。 後者なら、最悪の場合、ムスリム同胞団と軍最高評議会の物理的衝… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年7月2日(月)

外交・安保カレンダー(7月2-8日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 先週6月29日、米国政府は日本政府に対し海兵隊の垂直離着陸輸送機(MV22)の配備計画を正式に通告した。MV22については日本の一部に強い批判があり、岩国基地への搬入と試験飛行、普天間飛行場への配備に暗雲が垂れ込めている。 今週はこの問題について、可能な限り公平に、論点を整理してみたい。… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年6月25日(月)

外交・安保カレンダー(6月25日-7月1日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 28-29日の両日、ブラッセルでEU首脳会議が開かれる。勿論議題はユーロ問題だ。25日には遂にスペインがEUに正式支援要請を行った。17日の出直し選挙にもかかわらず、ギリシャ問題は、そしてユーロ問題はどうやら一段落していないようだ。 それにしてもEUの救済資金はいつまで持つのだろう。ウォ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年6月18日(月)

外交・安保カレンダー(6月18-24日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 ギリシャの「出直し」議会選挙はどうやら「緊縮財政」派の2党が過半数を占め、危機は回避されそうだと報じられた。一方、エジプトは(大統領選挙というよりも)内政そのものが星雲状態である。大統領選では同胞団系候補が勝利宣言を行ったというが、それなら尚更だろう。 まずは、ギリシャから。そもそも「緊… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年6月11日(月)

外交・安保カレンダー(6月11-17日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週の焦点は何といっても16日から始まるエジプト大統領選挙・決選投票と17日のギリシャの「出直し」議会選挙だろう。偶然なのか、地中海の北と南でほぼ同時期に極めて重要な選挙が行われる。恐らく今後の世界史を変えかねない選挙となるだろう。 まずは、エジプトから。今晩たまたま慶応大学の富田広士教… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年6月4日(月)

外交・安保カレンダー(6月4日-10日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週も「六・四」がやってきた。1989年の天安門事件から今年で何と23年も経つが、あの事件は今もタブーのまま。関係者の名誉回復は勿論のこと、あの「動乱」の遺族に対する厳しい扱いも変わらない。やはり期待する方が間違いということか。 もっと気になるのか、世界同時株安の可能性だ。先週末の米国市… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年5月28日(月)

外交・安保カレンダー(5月28日-6月3日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週は29日にエジプト大統領選挙結果の公式発表がある。既にムスリム同胞団直系候補とムバーラク政権時代の元首相による決選投票となる公算が高いと報じられている。この結果を正確に予想できた人は意外に少なかったのではないか。 いつも思うことだが、この種の予測で最も戒めるべきは、無意識な「wish… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年5月21日(月)

外交・安保カレンダー(5月21-27日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週の焦点はイランだろう。IAEAの天野事務局長が21日からテヘランを訪問している。イラン国内では経済制裁が確実に効いており、ハーメネイ最高指導者は追い詰められているのだろうか。 イラン・イスラム共和国体制の将来に危機感を抱いたハーメネイは、アフマディネジャード大統領を差し置いてでも、2… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年5月14日(月)

外交・安保カレンダー(5月14-20日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 先週末から日中韓サミットが北京で開かれた。今回の共同宣言では北朝鮮問題への言及が土壇場で落とされた。胡錦濤総書記が野田首相との二国間会談を行わなかった。尖閣問題では並行線だったらしい。 それにしても、先週中国は米中戦略経済対話直前に起きた「陳光誠事件」で米国とすったもんだしたばかりだが、… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年5月7日(月)

外交・安保カレンダー(5月7-13日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週は欧州の状況に注目したい。予想どおり、フランスでは大統領選決戦投票で社会党のオランド候補がサルコジ大統領に3%以上の差で勝利、ギリシャでも連立与党が歴史的大敗を喫し、南部欧州では現職指導者が揃って敗北したことになる。 この結果がユーロ、欧州経済、欧州統合に与える影響をどう見るべきなの… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年4月30日(月)

外交・安保カレンダー(4月30日-5月6日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 そろそろ北朝鮮が核実験をやる頃だ。北の思惑についてはこれまで何度も書いてきたのでここでは繰り返さない。核実験が行われれば、米国との交渉は当面仕切り直しとなり、強硬姿勢に戻るだろう。例の「特別行動」の内容も気になる。 久しぶりにワシントンで日米首脳会談が開かれる。麻生内閣以来というが、これ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年4月23日(月)

外交・安保カレンダー(4月23-29日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 北朝鮮が「わが革命武力の特別行動」で韓国の「すべての挑発根源らを焦土化させる」 と23日、通告してきたらしい。「対象は、主犯の李明博逆賊一味と保守マスコミを含む」という。対中関係は進展との報道が流れる中、この通告の意味は何だろう。 サイバー攻撃か、核実験か、それとも別の軍事行動なのか。「… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年4月16日(月)

外交・安保カレンダー(4月16-22日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 北朝鮮の技術レベルは所詮あの程度ということか。件の「人工衛星打ち上げ」は予想に反し、かどうかは別として、惨めにも失敗したが、それ以上に興味深かったのは北朝鮮がその「失敗」を公式に「認めた」ことではなかろうか。 これが「北」の戦略的方針変更であるとは思えないが、仮に戦術的なものだとしても、… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年4月9日(月)

外交・安保カレンダー(4月9-15日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週は何と言っても、北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」がハイライトだ。12-13日ごろには「ミサイル」が発射されるだろう。それにしても、私のような者にまでメディアの取材が来るのは一体何故だろう。逆に私は朝鮮問題の専門家でないので、状況を以下の通りシンプルに考えることも許されるだろうと思っている… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年4月2日(月)

外交・安保カレンダー(4月2日-8日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 4月1日のミャンマー議会補欠選挙でアウンサン・スーチー氏らNLD候補が圧勝したという。結果自体は予想通りで驚きはないが、改めて彼女の存在の大きさが理解できる。軍事政権がこの現実を受け入れることが重要なのだが・・・。 今週最も興味深いのは、2日にパキスタンの代表団がモスクワを訪問し、イラン… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年3月26日(月)

外交・安保カレンダー(3月26日-4月1日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 先週末は北京で過ごした。先週はミャンマー、シンガポールを回り、一日だけ帰国して中国に行くという馬鹿な日程を組んで大いに後悔したが、大変勉強にもなった。例えば、ヤンゴンは1960年代のシンガポールに近かったのでは、という切り口は筆者にとって非常に新鮮だった。 それにしても植民地主義時代のイ… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年3月19日(月)

外交・安保カレンダー(3月19-25日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週はミャンマーに来ている。ヤンゴンは初めてだが、軍事政権下の途上国には慣れている。ラッシュ時の混雑も、雑踏の喧騒も、1970年代末にアラビア語を研修したエジプトに似ていて、全く無関係なはずなのに、何故か懐かしく思うほどだ。 首都は中部のネピドに移転済だが、ヤンゴンのパンク状態は当分解消… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年3月12日(月)

外交・安保カレンダー(3月12-18日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週はちょっと視点を変えてフランスに注目したい。先週はスーパーテューズデーで米国の大統領選予備選が再び注目されたが、大統領選挙といえば来月フランスでは現職サルコジ大統領が落選する可能性があるそうだ。 野党社会党のオランド候補が富裕層に対する所得税率を75%にするとか、プロサッカーリーグの… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年3月6日(火)

外交・安保カレンダー(3月5日-11日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週の焦点は何といっても3月6日のスーパーテューズデーでロムニーが混戦から抜け出るか否かだろう。3日のワシントン州では勝利したが、6日に予備選が行われる州は東部、南部、中西部など様々であり、ロムニーの圧勝は期待できない。 順当に行けば全体としてはロムニーが辛勝するだろうとは思うが、問題は… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年2月27日(月)

外交・安保カレンダー(2月27日-3月4日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週から来週にかけては米国の大統領選挙が再び焦点となろう。28日のミシガン、アリゾナ両州の結果も気になるところだが、最大の関心事は来週3月6日のスーパーテューズデーで決着が付くか否かであろう。 代議員獲得数の割り振り方は州(更には郡)によって異なり、勝者総取り方式(winner-take… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年2月20日(月)

外交・安保カレンダー(2月20日-26日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 20日からユーロ圏の財務大臣がブラッセルに集まってギリシャの話をするらしい。一方、同日スペインではイベリア航空のパイロットや職員が今月に入り3度目の24時間ストライキを決行するという。 理由は格安航空会社に反対だからだそうだ。24日には今月4度目となる24時間ストも計画されている。何をや… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年2月13日(月)

外交・安保カレンダー(2月13日-19日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週の焦点は何といっても習近平国家副主席の訪米だろう。 中国要人にとって訪米は鬼門であると同時に、政治的飛躍のチャンスでもある。ところが、先週2月8日、事もあろうに、この微妙なタイミングで、重慶市の王立軍副市長が「休暇式治療」という聞き慣れない理由で「休養」に入ったと報じられた。 その直… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年2月6日(月)

外交・安保カレンダー(2月6日-12日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週は欧州ユーロ問題から始めよう。6日にはイタリア議会が政府の新たな財政措置について投票を行う一方、フランスでは航空会社労働者が3日間ストライキをやるのだそうだ(何を考えているのか)。同日には独仏首脳会談も予定されている。 ところが肝心のギリシャ政府の態度が煮え切らない。第二次支援を受け… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年1月30日(月)

外交・安保カレンダー(1月30日-2月5日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 29日からIAEAの調査団がイランに入っている。IAEA側の目的はイランの核軍事利用の有無の確認だが、イラン側は核平和利用を証明するために調査団を受け入れたとしている。相も変わらぬ「懲りない連中」だとは思うが、これは仕方がない。 昨年後半から米国は対イラン制裁強化に向け動き出した。今回の… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年1月23日(月)

外交・安保カレンダー(1月23-29日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週は「米大統領選挙の楽しみ方」の第三回目である。  これまでは、「弱い大統領候補でも対立候補が更に弱ければ勝つ」、「相手候補者が最も弱くなる原因は相手の党が割れること」と書いてきた。それでは現在の共和党はこのような「割れる党」の典型例なのだろうか。 21日のサウスカロライナ州共和党予備… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年1月16日(月)

外交・安保カレンダー(1月16-22日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週は、まず先週に引き続き、「米大統領選挙の楽しみ方」について書いておこう。  前回は「弱い大統領候補でも対立候補が更に弱ければ勝つ」と書いた。それでは「候補者が弱くなる」原因は何だろう。候補者の資質、資金集め能力など色々あろうが、最も効果的な方法は「党が割れる」ことである。 党分裂の定… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2012年1月9日(月)

外交・安保カレンダー(1月9日-15日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 これが2012年最初の外交・安保カレンダーとなる。今週の世界の関心はやはり米国の大統領選挙、特に共和党大統領候補者の予備選だろう。というわけで、今回から数回にわたり、「米大統領選挙の楽しみ方」について書いておきたいと思う。 3日のアイオワ州はコーカス(党員集会)方式だったが、東部時間10… 全文を読む

宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問