キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2012年2月6日(月)
[ 2012年外交・安保カレンダー ]
今週は欧州ユーロ問題から始めよう。6日にはイタリア議会が政府の新たな財政措置について投票を行う一方、フランスでは航空会社労働者が3日間ストライキをやるのだそうだ(何を考えているのか)。同日には独仏首脳会談も予定されている。
ところが肝心のギリシャ政府の態度が煮え切らない。第二次支援を受ける条件も詰まっていない。そんな状況でサルコジとメルケルは一体何を話すのだろう。こりゃだめだ。どうも欧州の混乱は相当長く続くと見た方が良さそうである。
今月21日に日豪TPP事前協議、21-22日には日米TPP実務者協議がそれぞれ予定されている。7日には日米で事前協議が本格化するが、むしろ心配なのは日本国内の反対派の動きだ。民主党内は纏まりそうにないが、本当に大丈夫なのか。
5日から韓国の李明博大統領がトルコを訪問し、トルコの原発建設事業への協力に合意したという。その後、李大統領はサウジアラビア、カタル、アラブ首長国連邦を歴訪する。シリアとペルシャ湾が気になる今日この頃、実に正しい決断だと思う。
それにしても日本の首相は一体どこで何をしているのだろう。もちろんこの時期は国会議事堂で予算委員会に出ているのだが、韓国のトップは中東外遊中なのに、日本のトップは国会で不毛な議論に釘付けになっている。彼我の格差は埋め難い。
対シリア制裁決議が中露の拒否権で葬られた。イスラエルの対イラン攻撃説が再び浮上している。今週は中東について書くスペースがないが、これまで述べてきたとおり、少なくとも、この種のスピンで我々が右往左往する必要は全くない。
2月6日 第4回日本・カナダ貿易投資対話(カナダ・オタワ)
6-9日 欧州議会委員会
6-10日 日・インド社会保障協定(仮称)第3回政府間交渉(インド・ニューデリー)
6-12日 さっぽろ雪まつり
7日 コロラド州党員集会、ミネソタ州党員集会、ミズーリ州予備選
三者三様だが、ロムニー候補の優勢が続くようなら共和党にも少し勝ち目が出てくるかもしれない。逆に、ここでロムニーが飛び抜けないと共和党の求心力が失われる可能性もある。結果には要注意だ。
7日 日米TPP事前協議(米ワシントン)
9日 米伊首脳会談(米ホワイトハウス)
9日 欧州中央銀行(ECB)理事会(独フランクフルト)
ここではユーロ圏金利につき新たな決定が行われる可能性が取沙汰されている。しかし、現状では金利を下げても民間の貸し出しは増えないだろう。欧州は1990年代の日本と同じ問題を抱えているようだ。
9日 英中銀政策金利発表、ECB政策金利発表・ドラギECB総裁、定例会見
9日 日シンガポールTPP事前協議
9-19日 ベルリン国際映画祭
10日 EU・インド首脳会議(インド・ニューデリー)
10日 復興庁発足
10日 日マレーシアTPP事前協議
10日 EU教育・青年・文化相理事会(ベルギー・ブリュッセル)
11日 メーン州党員集会終了
12日 沖縄県宜野湾市長選
12日 トルクメニスタン大統領選
12日 東京港臨海道路(東京ゲートブリッジ)開通
【来週の予定】
13日 岩手県平泉町、世界遺産認定書授与式
13日 11年10-12月期国内総生産(GDP)速報値(内閣府)
13日 泊原発廃炉訴訟の第1回口頭弁論(札幌地裁)
13-14日 日銀金融政策決定会合
14日 習近平・中国国家副主席、訪米
(オバマ米大統領、バイデン副大統領らと会談予定)
14-16日 第17回CIS金属サミット(露・モスクワ)
15日 東京都が招致を目指す20年夏季オリンピック委員会(IOC)への提出期限
15-17日 第8回公共調達会議・商談会「GOSZAKAS」(露・モスクワ)
15-17日 第6回自動車関連国際会議「AUTOINVEST」(露・サンクトペテルブルク)
16日 金総書記の生誕70年
16-18日 第9回クラスノヤルスク経済フォーラム(露・クラスノヤルスク)
17日 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢被告の公判で、石川知裕衆院議員ら元秘書3人の検察官調書の採否決定(東京地裁)
19日 前橋市長選
19日? ギリシャ総選挙?(延期の可能性あり。4月説も)
19日 競馬フェブラリーステークス(東京競馬場)
宮家 邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問