外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

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2012年6月4日(月)

外交・安保カレンダー(6月4日-10日)

[ 2012年外交・安保カレンダー ]


 今週も「六・四」がやってきた。1989年の天安門事件から今年で何と23年も経つが、あの事件は今もタブーのまま。関係者の名誉回復は勿論のこと、あの「動乱」の遺族に対する厳しい扱いも変わらない。やはり期待する方が間違いということか。
 もっと気になるのか、世界同時株安の可能性だ。先週末の米国市場の動きは、一部で囁かれていた世界的景気悪化懸念が現実になるのか。どうも気になる。経済は専門ではないが、今回ばかりはマーケットの懸念が簡単に払拭されるとは思えない。
 その意味でも、来週6月17日のギリシャ議会選挙の結果が市場に与える影響は決定的だと思う。マーケットが長期的に「合理的判断」を下すことは間違いないが、短期的にマーケットが重視するのは「材料」であって、経済的「合理性」ではない。
 先週末シンガポールで恒例のシャングリラ会議が開かれた。パネッタ国防長官は2020年までに現在の米海軍部隊の展開を太平洋・大西洋で50:50から60:40の比率にするという。本当にそんな簡単にいくのだろうか。
 米国防予算の行方は未だ不透明、中東で有事でもあれば、一発ですっ飛ぶような比率である。それでも、具体的に数字に言及したことは米国の真剣さをアピールする上では有効だったのだろう。素直に評価すべきだ。
 一方、今回中国側は逃げたようだ。前回参加した国防大臣はおろか、解放軍幹部も今回は参加していない。のこのこやって来て黒焦げになるのが嫌だったのか、それとも内政上の理由か。いずれにせよ、南シナ海は引き続き「波高し」ということだ。


6月4日 プーチン大統領、ウズベキスタンを公式訪問
4日 バローゾ欧州委員長、ドイツ首相と会談
4日 IAEA理事会(ウィーン)
4日 ユーロ圏生産者物価指数(4月)
4日 ウェリントン休場(女王誕生日)、ロンドン休場(スプリング・バンクホリデー)
4-5日 APEC貿易担当相会合(ロシア・カザン)
4-5日 ロシア5月CPI上昇率発表
4-6日 シンガポール外務大臣兼法務大臣、来日
4-6日 世界経済フォーラム(欧州、中東・北アフリカ、中央アジア会議)(イスタンブール)
4-6日 フィリピン大統領、英国訪問
5日 米大統領選挙共和党カリフォルニア州など5州で予備選
5日 経団連総会
5日 カナダ中央銀行、政策金利発表
5日 オーストラリア準備銀行理事会、中銀政策金利発表、第1四半期国際収支・国際投資統計発表
5日 台湾行政院主計処、5月CPI上昇率発表
5日 ロンドン休場(エリザベス2世即位60周年記念)
5-6日 プーチン大統領、中国訪問
 6日からのSCO(上海協力機構)の首脳会議にも参加する。今回もSCOにはイランがオブザーバー参加する。同床異夢の弱者連合ではあるが、こうして首脳会議を続ければ、それなりの政治的意味を持ち得るから要注意だろう。


5-6日 WTO・TRIPS理事会(ジュネーブ)
5-7日 アルメニア共和国大統領、来日
5-7日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
6日 米国、日本、オーストラリアによる合同海上軍事演習(九州近海)
6日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(フランクフルト)
今後の金融政策の方向性を協議
6日 欧州委員会、銀行回復と解決のための新たな枠組み提案(ブリュッセル)
6日 日本、韓国、中国東部、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、西太平洋上、ハワイ、および北アメリカの一部で金星の日面通過観測
6日 第1四半期のユーロ圏GDP改定値(EU統計局)
6日 ECB政策金利発表
6日 オーストラリア第1四半期GDP発表
6-7日 上海協力機構(SCO)の首脳会議(イラン大統領がオブザーバーとして参加)
6-7日 第5回日ロ投資フォーラム(ロシア・カザン)
6-8日 フィリピン大統領、米国訪問
6-9日 コソボ首相、来日
7日 プーチン大統領、カザフスタン訪問
7日 フランス第1四半期失業率発表
7日 韓国から北朝鮮への食糧支援目的の借款の初めての返済期日
(元利金約580万ドル(約4億6500万円))
7日 英BOEが政策金利発表
7日 台湾財政部、5月貿易統計発表
7日 韓国銀行、第1四半期国民所得(暫定値)発表
7日 オーストラリア5月小売り統計、雇用統計(5月)発表
7-10日 ゴルフ全米女子プロ選手権(米ピッツフォード)
8日 財務省、4月の国際収支発表
8日 内閣府、景気ウオッチャー調査(5月)、実質GDP・2次速報値(第1四半期)
8日 米貿易統計(4月)発表、11年年間補正発表
8日 英生産者物価指数(5月)、英中銀インフレ報告
8日 フランス4月貿易統計発表
8日 ドイツ4月貿易統計発表
8日 カナダ、労働生産率(第1四半期)、国際商品貿易、雇用統計(5月)
8日 オーストラリア4月貿易統計発表
8-10日 陸上日本選手権(大阪・長居陸上競技場)
8-14日 上海協力機構、タジキスタンにて合同軍事演習
8-24日 南スーダンPKO、陸上自衛隊2次施設部隊派遣(約330人)
9日 中国、5月主要指標(消費者物価・生産者物価・小売売上高)発表
9日-7月1日 UEFA欧州選手権2012
10-16日 ベルギー政府の訪日経済ミッション派遣(皇太子、皇太子妃含む300人が訪日)
10日 沖縄県議選
10日 フランス議会選挙(第1ラウンド)
10日 中国、5月貿易統計発表
10日 第66回トニー賞授賞式
10-11日 シリア国民評議会代表選


【来週の予定】
11日 日銀、5月のマネーストック速報
11日 シドニー休場(女王誕生日)
11日 欧州連合理事会、環境審議会(ルクセンブルグ)
11-17日 秋篠宮ご夫妻、ウガンダ訪問
12日 日銀、5月の企業物価指数発表
12日 英国4月貿易統計発表
12日 ドイツ連銀4月国際収支統計発表
12日 米輸入物価指数、財政収支(5月)
12日 サッカーW杯アジア最終予選(各地)
12,14日WTO加盟国通商政策レビュー:中国(ジュネーブ)
13日 米、生産者物価指数(5月)、小売売上高統計(5月)発表
13日 フランス5月CPI上昇率、5月消費差物価指数、4月国際収支統計発表
13日 ドイツ消費者物価指数(5月)確報
13-14日 OPEC国際セミナー(ウィーン)
13日or14日 ロシア第1四半期経済活動別GDP(1次速報値)発表
14日 セルビア大統領、EU本部訪問
14日 国際労働機関(ILO)総会(ジュネーブ)アウン・サン・スー・チー氏演説予定
14日 米消費者物価指数(5月)発表
14日 OPEC(石油輸出国機構)定例総会(スイス・ウィーン)
14日 ゴルフ全米オープン
14日 ユーロスタット、5月CPI上昇率発表
14日 香港、生産者物価指数(第1四半期)
14日 5月ユーロ圏消費者物価指数・確報
14日 フォークランド紛争、アルゼンチン軍降伏から30年
14-15日 日銀金融政策決定会合
15日 欧州委員会、地域経済の変革会議(ブリュッセル)
15日 ユーロスタット、4月貿易統計発表
15日 6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
15日 日銀、白川日銀総裁会見
16-17日 エジプト大統領選(決選投票)
17日 フランス議会選(第2ラウンド)
17日 ギリシャ議会選
17日 セネガル議会選


宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問