その他  グローバルエコノミー  2024.05.20

【山下 in 東大】第4回「食料安全保障と農業政策」講義資料_2024

農業・ゲノム

農業などについての大きな誤解を解きます。

我々は、大きく変わった、農業、農家、農村のことを間違って理解しています。未だに、我々は、農家は貧しい、米作りは大変な労力がかかる、農村のほとんどは農家だ、という認識を持っています。これを利用して誤った主張が行われますが、実態を知らない我々は、その真偽を判断できません。ファクツに基づき本当の姿を明らかにします。

農業生産の技術とコスト、各国の農業保護の構造について、学びます。

農業生産技術については、規模に関連するM(機械)過程と規模に関連しないBC(生物&化学)過程があります。 農場の規模を拡大すればM過程により、単収を向上させる品種改良を行えばBC過程により、それぞれコストは下がります。

よく日本の農業生産の平均費用は外国より高いので生産(競争)できないという主張がありますが、これは誤りです。平均費用が高くても生産できます。重要なのは限界費用です。

農業に関しては土地が重要な生産要素ですが、土地に対する需要は製品である農産物の派生需要です。農産物の価格が上昇すれば、土地への需要も高まり、その価格(地代、売買価格)も上がります(なお、銀座のコーヒーが高いのは銀座の土地が高いからではありません)。

アメリカとEUが価格支持政策から直接支払いへ移行してきたこと、日本は消費者に負担を求める価格支持の割合が高いこと(逆進的農政)、農業に多面的機能などの外部経済効果があるときには、経済学的に価格支持よりも直接支払いが望ましいことを説明します。農家所得に対する補助金(直接支払い)の比率が高いことから、ヨーロッパの農業保護の方が日本より高いという主張がありますが、これはある意図によって行われたものであり、もちろん誤りです。


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