CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
台湾軍でスパイ事件
海軍陸戦隊隊員がAAV性能や総統視察情報を中国側へ漏えい(2026年1月)

台湾海軍陸戦隊(上陸・離島防衛を担う海兵隊部隊)に所属する陳姓の中士(中堅の下士官)が、中国国旗を手に中国への投降を示す動画を撮影し、「吉祥」と名乗る中国人から20万元(約100万円)の報酬を受け取ったうえ、軍の機密情報を漏えいしたとして、国家安全法などの関連法令に基づき起訴された。

橋頭地方検察署は2026年1月9日、陳の犯行経緯を明らかにした。それによると、陳は2025年1月、インターネット上で「吉祥」と知り合い、高額報酬を得る目的で接触を開始。2月から3月にかけて、高雄市楠梓区の住所において中国国旗を持ち、「台湾は中国大陸に所属する」「中国に忠誠を誓う」といった内容の動画を撮影したとされる。

さらに陳は5月から6月にかけ、職務上の立場を利用して台湾軍の武器編成に関する情報、AAV型水陸両用強襲車の性能および整備記録などの文書・電子記録を携帯電話で撮影し、「吉祥」に送信したという。

7月には、台湾総統による高雄左営軍事キャンプへの秘密訪問・視察情報を送信し、その見返りとして1万元(約5万円)の賄賂を受け取った。また同じ7月、漢光演習およびドローンに関する文書や電子記録を、LINEを通じて「吉祥」に送付したが、この件については報酬を受け取っていなかったとされる。

橋頭地検は、本件の捜査が陳一人にとどまらないことも強調している。現役および退役軍人複数名が調査対象となっており、その中には接見禁止措置が取られている者もいるという。

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