CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
台澎海底ケーブル切断の中国籍「宏泰58号」
中国が台湾人2名を逆に指名手配(2025年12月)

2025年2月、中国資本を背景に持つとされるトーゴ船籍の中国貨物船「宏泰58」が、台湾と澎湖を結ぶ海底ケーブル「台澎3号」を切断し、台湾当局に拿捕された。この事件では、同年6月に同船の船長・王玉亮が、台南地方裁判所により電信管理法違反で懲役3年の実刑判決を既に受けている。

ところが12月24日、中国・山東省威海市公安局は、本件に関する公告を突如発表し、「宏泰58」は長期にわたり中国向けの密輸に関与してきたとして、密輸組織の首謀者である台湾籍の簡文昇および陳順進の両名を指名手配したと公表した。両名には懸賞金がかけられており、通報者には5万から25万人民元(約112万から660万円)を支払うという。

威海市公安局によれば、2025年6月に「宏泰58」の劉姓の船員らを捜査する過程で、簡文昇、陳順進を中心とする犯罪集団が同船を操作し中国への密輸活動を行っていた実態が判明したという。さらに、簡・陳両名が2014年にも廃棄物密輸の容疑で福建省漳州の税関当局の捜査対象となっていたことにも言及した。

同日、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の彭慶恩報道官も声明を発表し、2月に発生した「宏泰58」事件の実態は簡・陳両名による密輸犯罪事件であるのに、民進党政権が事実を無視してこれを「グレーゾーン作戦」だと喧伝、意図的に両岸対立をあおったと強く批判した。

彭報道官はさらに、民進党に対して「厳重な警告」を発するとし、密輸犯罪をかばい、あるいは黙認した上で政治的操作に利用し、両岸関係を破壊する行為は、必ずや両岸の同胞から共同の反対を受け、最終的には自ら不利な結果を招くことになると述べた。

バックナンバー