イベント開催報告 国際交流
2024年9月9日(月)
開催
会場:新丸ビル「コンファレンススクエア」
去る9月9日、日本の優れたロボットの専門家を招き、「日本ロボティックスの将来」と題した公開セミナーを開催した。周知の通り、現在、世界中で人とロボットとの協働作業が工場・倉庫といった領域を超え、一般事業所・農業・建設・運輸の現場、更には教育・医療・介護・警備の現場、そして安全保障の分野にまで広がりつつある。こうした中、弊所では、これまで優れた専門家と共に内部で研究会を実施している。
今回、「将来における日本のロボティックスはどうあるべきか」につき、ロボット関係専門家と一般の企業人や研究者と共に考え、議論する目的でこの公開セミナーを開催した。
プログラムは下記の通り。
プログラム (講師)
15:00-15:05: | 開会の辞 |
キヤノングローバル戦略研究所 理事長 福井 俊彦 | |
15:05-15:10: | イントロダクション: セミナーの概略説明 |
キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 栗原 潤 | |
15:10-15:25: | 日本知識社会の未来像 |
UCLA元教授 東京大学・政策研究大学院大学 名誉教授 | |
東海大学 特別栄誉教授 黒川 清 | |
15:25-15:40: | 社会で求められるロボット技術とその社会実装における課題 |
東京大学 国際高等研究所 東京カレッジ 特任教授 淺間 一 | |
15:40-15:55: | 労働力不足に対するCPSを基盤としたIoT、AI、ロボットの活用 |
産業技術総合研究所 情報・人間工学領域インダストリアルCPS研究センター | |
研究センター長 谷川 民生 | |
15:55-16:05: | 休憩 |
16:05-16:15: | 中国のサービスロボット・AIの開発動向 |
東京大学 人工物工学研究センター 特任研究員 本田 幸夫 | |
16:15-16:25: | 人とロボットの共存・協働・協調における産業と社会応用 |
大同大学 工学部機械システム工学科 教授 吹田 和嗣 | |
16:25-16:40: | GISHW活動と国際標準化に向けた動き |
日本認証株式会社 代表取締役会長 セーフティグローバル推進機構 理事 藤田 俊弘 | |
16:40-17:00: | 開場からの提言 |
司会 キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 栗原 潤 | |
17:00: | 閉会 |
セミナーでは、福井俊彦弊所理事長による開会の辞に続き、6人の専門家から解説をして頂いた。概要は次の通り。またセミナーで使用されたスライドはPDF版がダウンロード可能である。
①最初に、黒川清教授から日本の知識社会が抱える課題について語って頂いた。次に②我が国を代表するロボット工学の専門家の一人である淺間一教授から、ロボットが如何なる形で社会全体に将来普及・浸透していくのか、という問題意識でお話頂いた。③労働力不足という課題を抱える日本経済に対し、ロボットを巡る情報通信技術(ICT)が課題解決に貢献するのか、という視点で谷川民生教授に解説して頂いた。次いで④ロボット産業育成に向けて産業政策を展開する中国に関し、中国から帰国した直後の本田幸夫氏から現地報告と日本における課題を述べて頂いた。⑤企業部門でロボット技術の導入を長年経験した吹田和嗣教授から、人とロボットが職場で如何なる形で協調出来るのか、について解説して頂いた。そして最後に⑥世界各地でロボット開発が進む中で、如何なる形で国際標準化を進めるべきか、という課題が日本の産業競争力を考える上で重要になってきている。これについて、長年世界の専門家と議論を続けてきた藤田俊弘氏から、国際交流の歴史と将来展望を語って頂いた。
栗原潤 研究主幹 イントロダクション |
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黒川清 教授 日本の知識社会が抱える課題について |
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淺間一 教授 ロボットが如何なる形で社会全体に将来普及・浸透していくのか |
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谷川民生 教授 労働力不足という課題を抱える日本経済に対し、 |
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本田幸夫 氏 ロボット産業育成に向けて産業政策を展開する中国 |
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吹田和嗣 教授 人とロボットが職場で如何なる形で協調出来るのか |
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藤田俊弘 氏 世界各地でロボット開発が進む中で、 |
弊所は継続して公開セミナーを開催する予定である。次回の公開セミナーは、11月18日、海外の専門家も招き、東京・日本工業倶楽部で開催する予定である。