中国の「民族団結進歩促進法」が2026年7月1日に施行されるのを前に、台湾の大陸委員会(陸委会)は強い警戒感を示している。陸委会は、この法律について、中国が「統一促進」を単なる政治的主張から法的義務へ転換しようとするものだと指摘した。
陸委会によれば、将来的には台湾住民が「積極的な統一行為」を行わない場合や、特定の政治的立場を表明しない場合であっても、処罰対象とされる可能性があるという。場合によっては、刑事責任を問われるリスクすら否定できないとしている。
さらに陸委会は、「意思を表明しないこと」そのものを違法行為として扱おうとする発想は、台湾社会に萎縮効果を与え、人々を威圧することを目的としていると批判。その狙いは、台湾の民主政治や言論空間への介入にあると強調した。
台湾政府の統計によれば、2026年3月13日時点で、中国による越境弾圧の影響を受けた対象は122件に上り、その中には103人の個人、企業、団体が含まれているという。
陸委会は、中国による「反独促統(台湾独立反対・統一促進)」政策が近年さらに拡大していると分析している。特に、中国側が法律を利用して台湾人へ圧力を加えようとしている点に警戒を強めている。中国は、両岸が相互に隷属しないという現実を無視したまま、一方的に台湾へ法的管轄権を及ぼそうとしており、これは台湾の主権および国民の権利に対する重大な脅威だとしている。
また陸委会は、中国には台湾に対する法的管轄権は存在しないと改めて強調した。そのうえで、中国によるいかなる越境弾圧行為も台湾法の下では無効であり、台湾住民がこうした圧力や迫害を受けた場合、台湾政府は全面的な保護を提供すると表明した。
さらに、中国による越境弾圧に協力する台湾内部の協力者についても、台湾政府は関連法令に基づき厳格に処罰する方針を示している。