CIGS中国研究センター

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中国全人代で李強報告、台湾方針は「打撃」と「融合」の併存(2026年3月)

中国第14期全国人民代表大会第4回会議は3月5日、北京の人民大会堂で開催された。李強・中国国務院総理は政府工作報告の中で、香港・マカオ・台湾に関する議題に言及し、台湾問題についての立場を改めて強調した。

報告では、「一つの中国原則」と「九二コンセンサス」の堅持が再確認されたほか、「台湾独立」への対応について、従来の「断固反対」という表現から、より強い「断固打撃」へと表現が変更され、対「台湾独立」および外部勢力への姿勢の強硬化が示されたと受け止められた。

親中とされる香港紙『星島日報』はこれを受け、李総理が「新時代の中国共産党による台湾問題解決の総体方針」を強調したと報じた。その中で、「一つの中国原則」および「九二コンセンサス」の堅持に加え、「台湾独立分裂勢力」に対する「断固打撃」と、「外部勢力の干渉への反対」が明確に示されたと指摘している。これを2025年の報告と比較すると、対「台湾独立」姿勢が一段と強化されていることがうかがえるという。

一方で李総理は、両岸関係について「平和的発展の推進」と「祖国統一の実現」という長期目標を改めて提示したうえで、経済・社会面での交流と融合の深化を進める方針を示した。また、「中華文化を共に伝承し、発展させる」という表現や、「台湾同胞への同等待遇政策の実施」が新たに盛り込まれ、両岸の人的・社会的結びつきを意識した内容が強調された。

これらの新たな文言は、中国側が台湾住民への直接的な呼びかけを強め、将来的な統一を見据えた社会的・制度的な統合を進めようとする意図を示すものと受け止められており、従来の政策表現と比較して、より具体的な統合促進姿勢が前面に出た形となっている。

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