チェコ警察と安全情報局(BIS)は1月22日、中国の情報機関のために活動していた疑いで、中国籍のメディア関係者1名を1月17日に逮捕したと発表した。
一部メディアは、この人物が、台湾の蕭美琴副総統が2024年3月にチェコを訪問した際、中国の外交関係者による尾行が発覚し、あわや交通事故に至りかねなかった事件と関連している可能性を指摘している。
チェコのシンクタンク「欧州価値安全政策センター(EVC)」の主任ヤクブ・ヤンダ(Jakub Janda)は自身のXで複数の現地報道を引用し、逮捕された人物が楊芸明(Yang Yiming)であると特定。長年チェコで活動し、中国の官製メディア『光明日報』のプラハ特派員としての肩書を持ちながら、実際には情報活動に従事していたと指摘した。
報道によれば、楊容疑者はチェコおよびスロバキアの政治関係者と関係を築き、不正な手段で情報入手を試みていたとされる。主な標的は、要人のスケジュールや台湾訪問に関する詳細情報であったという。表向きは記者として活動しながら、実態は中国のための情報収集活動を行っていた疑いが持たれている。
またヤンダ氏によれば、2020年前後、『光明日報』はチェコの老舗メディア「Literární noviny」と関係を築いた。「Literární noviny」は長い歴史を持つ一方、当時の影響力は限定的であったとされる。その後、同紙には親中寄りの論調の記事が一定数掲載されるようになったという。
ただし、現地メディアの報道では、匿名のチェコ政府関係者が、今回の逮捕と蕭美琴副総統に対する尾行事件との直接的な関連性は現時点では確認されていないと説明している。捜査は依然として進行中だ。
蕭副総統は2024年3月18日、副総統当選者の立場で3日間チェコを訪問したが、滞在中、中国の外交関係者による尾行を受け、危険な状況に発展しかけたとされる。チェコの軍事情報当局は、中国の情報機関が「保護対象者」に対して破壊的な行動を試みた可能性を指摘しており、現地メディアの中には、車両への危害を意図した行為だったと報じるものもある。