CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
中国軍事演習をめぐる中・台の対立
『The Australian』が言論戦の舞台に(2026年1月)

中国解放軍は2025年12月、「正義使命-2025」と名付けた軍事演習を実施した。この演習は台湾および周辺諸国に対する脅威と受け止められ、国際社会から批判の声が上がった。

オーストラリア外務貿易省も声明を発表し、中国の軍事演習は地域の安定を損ない、緊張を高め、リスクを上昇させるものだと批判した。また、相違は対話によって解決されるべきであり、武力や威嚇によって解決すべきではないと強調した。

これに対し、中国の肖千・駐豪大使は1月19日、「事実を尊重し、承諾を守り、歴史の発展に順応する」と題する文章を現地メディア『The Australian』に寄稿。豪政府による中国軍事演習への声明は「愚かで受け入れがたい(inadvisable and unacceptable)」ものだと主張した。さらに「一つの中国」の立場をめぐり、豪政府がその政治的承諾に違反していると非難した。

これを受け、台湾の徐佑典・駐豪代表は22日、同じく『The Australian』に「中国と異なり、台湾は条件なきパートナーシップを提供する(Unlike China, Taiwan offers a partnership without conditions)」と題する文章を寄稿し反論した。徐代表は、今回の中国の軍事演習は2022年以来最大規模であり、台湾の主要港を封鎖する演習を含むもので、地域に対する重大な関与であると指摘した。

そのうえで徐代表は、台湾は台湾海峡の平和と安定の維持に尽力しており、頼政権も北京との対話を求めてきたが拒否された経緯があると説明。それでも台湾は対話に対して常に開かれた姿勢を保っていると述べた。

さらに徐代表は、台湾は大規模な軍事演習を行わず、他国の港を封鎖する演練も実施せず、係争水域で船舶を衝突させることもなく、海底ケーブルを切断することもなく、他国侵略のシミュレーションを公表することもないと強調した。

中国側が「統一を妨害する者は許さない」と表明し、オーストラリアに対して対中貿易や往来の利益を考慮すべきだと「注意」したことについて、徐代表は、オーストラリアはこのようなモデルを十分理解しており、外国が民主主義に関与する行為に対して高い警戒心を持っていると述べた。そして最終的な判断はオーストラリアの国民によって下されるとの見解を示した。

バックナンバー