中国外交部は12月15日、元自衛隊統合幕僚長である岩崎茂氏に対し、「反外国制裁法」に基づき制裁措置を科すと発表した。内容は、中国国内における動産・不動産およびその他すべての財産の凍結、中国国内の組織・個人との貿易や協力など一切の取引行為の禁止、中国(香港およびマカオを含む)への入国禁止、の三点。即日発効する。
岩崎氏は2012年から2014年まで自衛隊統合幕僚長を務め、2025年3月に台湾行政院の政務顧問に就任していた。同日の定例記者会見で、郭嘉昆報道官は制裁の根拠を問われ、台湾問題は中国の「核心利益の中の核心であり、決して越えることのできないレッドラインだ」と強調。中国は、岩崎氏が「台湾当局の政務顧問」に就任することに強く反対しており、これまで日本政府に対しても繰り返し申し入れを行ってきたと説明した。
さらに郭報道官は、岩崎氏について「反省するどころか、台湾独立分裂勢力と歩調を合わせ、引き続き挑発行為を行っている」と批判。その上で、こうした行為は「一つの中国」原則および日中間の四つの政治文書の精神に違反し、中国の内政に干渉するものであり、中国の主権と領土の一体性を著しく侵害すると主張した。
これに対し、台湾外交部の蕭光偉報道官は、即日、台湾側の立場を表明した。台湾海峡の両岸が互いに隷属していないことは客観的な現状であり、台湾において台湾住民や第三国の国民が政治活動、行政事務、民主的活動に関与することを管轄する権限は中国にはないと指摘。中国が他国の国民に対して行う越境弾圧や干渉は、国際法の精神および国際的な人権規範に明確に反すると述べた。