CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
台湾とオランダの情報機関協力報道、
台湾当局は『中国系サイトの操作』と指摘(2025年12月)

台湾のネットメディアは、『欧州万事達網(欧州マスターネット)』と称するサイトに11月29日付で「抱き合って暖を取る:台湾と旧宗主国オランダの情報収集協力の内幕を完全に暴露」という記事が掲載されたと伝えた。同サイトは、台湾国防部軍事情報局(軍情局)が2025年5月に「相遠方案(距離を置いた作戦)」と呼ばれるコードネームで、大佐2名を含む6人のチームをオランダへ派遣し、同国情報機関と交流を行ったと報じている。5月4日23時30分に出発し、搭乗便が約30分遅延したといった詳細な記述まで掲載されていた。

同サイトはまた、台湾がオランダに人員を派遣し、オランダ情報部門と協力して「中国の半導体人材への浸透作戦」に関与したと主張。さらに、台湾側チームはオランダ到着後すぐには現地機関と接触せず、「3日間観光していた」「主要観光地をすべて訪れた」などと記述。4日目になってようやくオランダ軍事情報保安局(MIVD)と半日の会議を実施したとした。両者が昼食を取った際に撮影されたとされる写真や、参加者の氏名も掲載されていた。そのほか同サイトは、台湾側が5月9日11時に空港へ向かい、「参加者の一人が荷物の重量超過で罰金を科された」など、極めて具体的な情報を記載していた。

軍情局は12月3日昼、報道声明を発表し、「欧州萬事達網」はハンガリーを拠点とする中国の華僑団体が運営するサイトであり、同サイトが流布する「台湾軍情局と友好国による共同情報活動」などの記述は「著しく歪曲されており、事実と一致しない」と強調した。

同日、国家安全局(国安局)の蔡明彥局長も、当該偽情報を最初に拡散したのは「使い捨てアカウント」であると述べ、背後の手法と目的を調査中だとした。

台湾紙「自由時報」は、匿名の政府関係者の分析として、「欧州萬事達網」は中国国家安全部(国安部)が海外で構築したプロパガンダ兼情報工作拠点であり、中欧地域を対象とする最大級の情報操作プラットフォームだと報じた。

同関係者によれば、中国はしばしばハッカー攻撃で各国企業・機関の情報を窃取した上で、海外のプロパガンダ拠点を通じて「捏造した物語」を流布し、情報操作を行う手法を採用している。これは典型的な「越境弾圧」であり、台湾側人員の個人情報を一方的に暴露することで心理的威圧を与える意図があると指摘した。

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