11月26日、日本の高市早苗首相は、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、台湾の法的地位を日本が「認定する立場にない」と述べ、1951年に連合国と交わしたサンフランシスコ平和条約で台湾に関するすべての権利を放棄していることを理由に挙げた。これに対し、中国外交部の郭嘉昆副報道局長は27日の定例記者会見で「いわゆる『台湾地位未定論』を喧伝しようとしている」と批判した。サンフランシスコ条約は台湾に関する権利放棄を規定するにとどまり、最終的な帰属先を定めていない。郭氏はこの点を念頭に、「カイロ宣言やポツダム宣言に触れず、サンフランシスコ条約だけを強調した」と指摘した。
翌28日の記者会見では毛寧報道官が、「いわゆる『サンフランシスコ平和条約』は中国やソ連など主要当事国が参加しない単独講和であり、「敵国との単独講和」を禁止した1942年の「連合国宣言」規定に違反しており、国連憲章や国際法の基本原則にも違反していると述べた。さらに、「中国が締結国でない以上、台湾の主権帰属を含め、中国の領土や主権に関わる処置はすべて違法かつ無効である。中国はこれまで一度も『サンフランシスコ平和条約』を受け入れたことはない」と強調した。
会見では記者から、「サンフランシスコ平和条約の締結後、中日間は『日中平和友好条約』を締結しており、中国は同条約を事実上受け入れたのではないか。現在の立場はその条約を認めないということか」と質問が出た。これに対し毛報道官は、「その理解は誤りだ」としたうえで、「中国は『サンフランシスコ平和条約』における台湾主権の扱いを承認したことはなく、同条約を受け入れたこともない」と改めて否定した。
毛氏はさらに、1972年の「日中共同声明」が「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」と明記している点を指摘。加えて、日中間の四つの基本文書(*注)が台湾などに関する明確な原則を示し、両国関係の政治的基礎となっていると述べた。
一方、台湾外交部の李憲章・条約法律局長は12月2日、中国側の主張に反論。第二次世界大戦後、「サンフランシスコ平和条約」は「カイロ宣言」「ポツダム宣言」などの政治声明に取って代わる効力を持ったと指摘した。また、「中華人民共和国が台湾を統治したことは一度もなく、これは歴史的事実だ」と述べ、台湾の民主化以降、両岸は互いに隷属しない現状が確立していると強調した。
*注:中国が繰り返し強調する日中間の『四つの基本文書』とは、1972年共同声明、1978年平和友好条約、1998年共同宣言、2008年共同声明を指す。
サンフランシスコ講和条約で台湾に関する文言は第二条(b)に出てくる。
第二条