CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
台湾軍情報局退役将校3人、中国への情報漏洩で判決確定(2025年12月)

国防部軍事情報局(軍情局)の張超然・退役大佐は、中国のために台湾で組織網の拡大を図った。その過程で、軍情局の岳志忠・退役少将、周天慈・退役大佐、王大旺・退役大佐らを取り込み、情報員の個人情報や軍事機密を中国側へ漏洩したとして、国家安全法の組織発展罪などで起訴された。12月3日、台湾高等法院(高裁に相当)は、張に懲役1年6月、周に1年2月、岳に組織発展未遂で懲役10か月の判決がそれぞれ下され、王は無罪となった。判決後に上告したが、最高法院(最高裁に相当)が棄却し判決が確定した

2012年、岳は中国に親族訪問したいと考えていたが、入国後に拘束されるのではないかと不安を抱いていた。張はその際、「中国へ行き『韋さん』に会えば安全は保障される」と説得した。同年8月、岳は張と周の手配でマカオに赴き、韋と面会した。これにより中国側は、岳と周の軍情局での職歴や業務内容などの情報を得ることができた。周はさらに、中国側が提示した台湾の情報員の写真について身元照会を行ったという。面会後、岳は6000香港ドル(約12万円)の報酬を受け取り、免税店で約3万元(約15万円)のブランドバッグを購入した。

2016年6月には、岳が周に同行して広東へ渡航した。周はその際、3000米ドル(約45万円とされる)を受け取って先に台湾へ戻ったが、岳は中国政府関係者に伴われて鄭州で親族訪問を行い、もてなしを受けた。

一方、王は張の手配により、同年8月に親族訪問の名目で中国へ渡航した。しかし広州空港に到着するとすぐに国家安全部門の関係者に連行された。王は拘束を解かれる条件として、軍情局同期24名の職歴や背景情報を提供したほか、解放後には茶葉や人民元、携帯電話などを受け取った。

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