CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
中国の監視網、台湾と日本に拡大 国台弁が在外公館で人員増派し情報収集を強化(2025年11月)

日台関係がいっそう緊密になるなか、日本に滞在する台湾の華僑、一般市民、ビジネス客は増え続けている。台湾のオンライン・メディア『上報』は独自取材で、中国が、日本にいる台湾人の動向を把握する目的で、国務院台湾事務弁公室(国台弁)職員を「外交官」として東京の中国大使館に配置していると報道した。監視体制は、現在の東京拠点から各地の総領事館に段階的に拡大される予定だという。また台湾人観光客がよく訪れるタイのバンコクやチェンマイなどでも、現地の中国大使館・領事館が専任の監視担当者を置いているという。この「天網」がさらに密に張り巡らされれば、台湾人が海外で直面するリスクが高まる恐れがある。

このような任務配置は、中国の在外大使館が従来担ってきた業務と重複する印象もあるが、事情に詳しい関係者は、今回の措置は国台弁と在外公館との相互連携を考慮したものと分析。現在の国台弁上層部は、前例のないほど「外交部系統に掌握されている」状況が生じていると指摘する。

現外交部長の王毅が2008年に国台弁主任に就任して以降、その後任者はいずれも外交部出身者が占めてきた。さらに2025年の人事異動を経て、国台弁の指導部は、主任の宋濤、副主任の呉璽、趙世通いずれも外交部系統からの「空降(外部登用)」人事となり、外交部出身ではないのは、「閩台(福建と台湾)」地域との地縁を考慮して起用されたもう一人の副主任の潘賢掌のみとなっている。

女性副主任の呉璽はかつて駐米公使を務めた「アメリカ通」である。2025年5月に副主任に任命された趙世通は外交筋では王毅に次ぐ「日本通」と評されており、着任早々、現主任の宋濤とともに台湾関連の重要な場に相次いで出席した。こうした人事配置は、台湾問題の特殊性に対応するとともに、日本が台湾海峡情勢に強い関心を寄せていることを踏まえた措置だとみられている。

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