中国福建省泉州市公安局は11月13日、台湾のインフルエンサー「八炯」(本名 温子渝)と「閩南狼」(本名 陳柏源)」に対し国家分裂を煽動した疑いで指名手配し、情報提供を呼びかけた。提供情報への報奨金は最高25万人民元(約500万円)とされている。
指名手配の公告後、中国の官製メディア系Wechatアカウント「日月譚天」は、当局が二人を追及する理由を報じた。そこでは、二人が「中国の武力統一の脅威を誇張したこと」、台湾で中国籍の人妻による犯罪行為を摘発したこと、さらに「外部勢力(西側の民主諸国)との関係」を持っていることなどが挙げられている。同アカウントはまた、公安機関が二人による「国家分裂を煽動する大量の証拠」を掌握しており、法律に基づき指名手配に踏み切ったと伝えた。
八炯と閩南狼は2024年末、「中国統一戦線ドキュメンタリー」を制作。中国共産党が金銭的手段を用いて台湾のインフルエンサーを「舔共」(理由なく中国を称賛・支持する)へ誘導していると示唆する内容が注目を集め、再生数は500万回を超えた。二人はまた、台湾で行われた大規模な罷免運動でも中心的役割を果たし、台中、花蓮、桃園など民進党支持派の集会に参加した。
中国国台弁は今年3月、「台湾独立派」の人物リストを公表し、八炯と閩南狼も名指しで掲載された。
これに対し、台湾行政院の李慧芝報道官は11月13日、「中国による越境的な弾圧は野蛮であり、台湾国民の自由と安全を侵害する意図がある」と非難。さらに大陸委員会法政処(法務・政策担当部門)の董玉芸氏は、中国側の指名手配に協力した場合、台湾の法律に抵触する可能性があるとして国民に注意を呼びかけた。