CIGS中国研究センター

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中国、2026年深圳APECで台湾に『中国台北』名義を要求(2025年11月)

2026年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)は、中国・広東省深圳で開催される予定であり、中国が議長国を務める。これに関連し、中国外交部の毛寧報道官は11月5日の定例記者会見で「台湾は『一つの中国』原則を遵守することを前提に参加する」と述べた。

さらに、11月12日には、中国国台弁の陳斌華報道官が台湾の参加資格に関する中国側の従来の立場を改めて説明。「台湾地区は『一つの中国』原則の下、『中国台北』名義の地域経済体としてAPECに参加している。これはAPECの覚書に基づく規則と慣例であり、台湾地区が参加するための政治的前提だ」と強調した。また、民進党当局の主張について「全く無用である」と批判した。

これに対し、台湾大陸委員会の梁文傑副主任委員兼報道官は「国台弁の発言は意外ではない」とコメント。2014年に北京でAPECが開催された際にも、中国が台湾の参加を制限した例を挙げ、「当時から中国は『一つの中国』原則の下、『中国台北』としてしか認めない立場だった」と指摘した。

台湾外交部も声明を発表し、中国が台湾のAPEC参加に政治条件を付け加える行為は、APECのルールや慣行、さらには2024年リマ会議で行った約束に違反すると批判した。「台湾を矮小化し、APECから排除しようとする中国の行為は受け入れられない」とした上で、価値観を共有する国々と協力し、「APECにおける地位の平等という核心原則を守る」との方針を示した。

2024年から2年連続で台湾APEC代表を務めた林信義氏も、台湾の存在感は過去と比べて大きく高まっていると指摘。「国際経済や貿易の場には台湾の声が必要であり、世界は台湾を必要としている」と強調した。林氏は2025年のAPECで日本の高市早苗首相と韓国で会談したが、中国外交部は日本が台湾当局者と接触したとして「『一つの中国』原則に違反する」と抗議している。

一方、アメリカ国務省は台湾の「完全かつ平等な参加」を改めて支持する立場を示し、国際社会における台湾の存在を後押しする姿勢を鮮明にしている。これに対し、台湾外交部は「誠心からの感謝」を表明。台湾はAPECの完全なメンバーであり、他のエコノミーと同等の権利を有していると強調し、国際社会の支持を背景に参加の正当性を改めて訴えた。

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