CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
台湾退役中将による中国スパイ事件に判決
──「反独促統連軍」構想と未遂の内通活動(2025年10月)

10月23日、台湾の退役中将・高安国が中国の資金援助を受け、台湾で武装組織を創設し中国の内通者になろうとしたとして、国家安全法違反(大陸地区のために組織を立ち上げ、発展させた罪)により、懲役7年6か月の判決を受けた。

高とその交際相手である劉逸蓁は、個人的な経済利益を目的に中国のための組織構築を進めた。2020年、高は「中華民族反独促統連軍」の設立を計画し、自ら総長に就任。劉は中国との連絡役を担った。さらに高は「永福計画」と題する作戦構想文書を作成し、現役・退役軍人の加入を企図していた。

両名は2023年2月25日以降、複数回にわたり中国を訪問し、党・政府・軍関係者と面会。台湾で研究会を開催する形式で軍人らと接触し、「反独促統連軍」を創設するよう指示を受けたという。計画では、中国が台湾周辺の海空域で優位を確保し、台湾を完全封鎖する局面において、内通者として台湾の重要機関を攻撃し臨時政府を樹立、両岸統一の目標を達成することが想定されていた。

高と劉は反民進党の動画制作や反政府イベント・デモの開催を通じて、中国から総額410万元(約2050万円)の資金援助を受けた。しかし、接触した現役・退役軍人はいずれも協力に応じなかった。

また、高の義子である侯紹康は2019年に高と共に中国を訪問し、中国側から招待を受けて情報員と接触、スパイ活動に吸収された。侯は2019年から2024年にかけて、退役少佐の張勝豪、退役中尉の邱栄鴻、非軍職の陳敬懷を中国スパイ組織に取り込んだ。侯はこの活動により325万元(約1625万円)の報酬を受け取り、他の3名も9万〜115万元(約45万〜675万円)を受領したが、いずれも現役軍人の吸収には至らなかった。

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