頼清徳総統は25日、「全社会防衛レジリエンス委員会」の第8回会合を主宰した。総統府の郭雅慧報道官は記者会見で、頼総統による4項目の指示と総括を明らかにした。
頼総統はまず、国家安全会議、国防部、海洋委員会に対し、海空域における情報収集・分析体制のさらなる統合と即時通報システムの強化を指示した。異常活動に対する早期警戒能力を向上させ、情勢の変化を迅速に把握できる体制を整備するよう求めた。
2点目として、交通部と海洋委員会が国防部と連携し、国内外の商船との情報共有・連絡体制を引き続き改善するよう指示した。海洋法執行能力を強化するとともに、必要に応じた退去措置を徹底し、航路計画、無人機による監視・偵察、護衛体制などを整備することで、海域監視と緊急対応能力の向上を図るよう求めた。
また、港湾での停泊、陸上での積み下ろし、船舶の入出港業務が円滑に行われることを確保するとともに、関係政府部門の危機対応体制や海上輸送の安全維持を強化し、エネルギーや重要な生活物資の補給・供給体制の強靱化を進めるよう指示した。重要港湾および主要航路の安全かつ円滑な運用を維持することが重要だと強調した。
3点目として、経済部、農業部、衛生福利部に対し、エネルギーや生活必需物資について在庫状況の把握、需給動向の管理、優先順位の策定を継続するとともに、海外からの調達手順の検証を進めるよう求めた。また、交通部、内政部、財政部に対しては、港湾施設の機能強化、物資の受け入れ・輸送体制の整備、通関手続きの迅速化、港湾区域の治安維持を指示した。
さらに、海洋委員会、海洋巡防署、内政部警政署に対し、無人機の運用範囲を拡大し、海上・陸上交通の管制や警備活動を支援することで、いかなる状況下でも国家の重要システムが最低限の機能を維持できるよう備えることを求めた。
4点目として、各政府部門に対し、部門横断的な危機管理と情報発信体制を一層強化するとともに、国際社会との戦略的コミュニケーションを充実させるよう指示した。対外説明については、一貫性、迅速性、透明性を確保し、情報の食い違いによって社会に不要な混乱や不安が生じることを防ぐ必要があると述べた。
頼総統は、「国家のレジリエンスが高まれば社会はより安定し、平時からの備えが充実すれば台湾はより安全になる」と強調した。今後は中央政府と地方自治体が連携し、さらに政府と民間が協力して国民の参加を促し、国家全体のレジリエンスを継続的に高めることで、あらゆる挑戦に対応し、着実に前進していく考えを示した。
また、近年は国際情勢や地政学的環境が急速に変化しており、地域紛争、海上安全保障、エネルギー供給網、国際海運秩序などの課題が各国の危機対応能力と国家全体のレジリエンスを厳しく問うていると指摘した。
今回の机上演習では、「グレーゾーン事態への対処」と「高強度の海上威圧」をテーマに、包括的な検証と討議が行われたという。頼総統は、国家安全保障の最前線は軍や海巡部隊だけではなく、すべての港湾、重要インフラ、さらには生活物資の安定供給にまで及ぶと説明し、レジリエンス強化に向けた備えは、より具体的かつ実践的で、現実の状況を想定したものでなければならないと述べた。
その上で、各部門に対し、今回の演習結果や顧問・委員から示された提言を踏まえ、現行制度を改めて検証し、不足部分を補強するよう求めた。部門間連携、中央・地方の協力、官民連携を、平時から訓練可能で、有事には直ちに発動できる具体的な行動計画へと落とし込む必要があると強調した。
最後に頼総統は、「全社会防衛レジリエンスは政府だけでなく、産業界、地域社会、そして国民一人ひとりが共に備え、共に対応すべき課題である」と述べ、「団結、安全、強靱な台湾」の実現に向けて引き続き努力していく考えを示した。