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陸委会諮問会議 中国「両会」と対台圧力を分析 選挙影響の可能性も指摘(2026年3月)

台湾の大陸委員会(陸委会)は、「中国『両会』観察」をテーマに第76回諮問委員会議を開催した。会議では、一部の諮問委員から、中国が台湾に対するグレーゾーン型ハラスメントをさらに強化し、11月に予定される台湾の地方選挙へ影響を及ぼそうとする可能性があるとの警戒感が示された。

参加者の一人によれば、2026年の「両会」における政策全体の方向性には大きな構造変化は見られなかったという。一方で、「政府活動報告」では経済成長率目標が4.5〜5%へと下方修正され、1991年以来の最低水準となった。しかし、中国政府は依然として積極的な財政政策と適度な金融緩和を維持しており、高水準の財政赤字や特別国債発行の常態化も続いていると分析された。

また、党・政府関係者が引き続き「習近平核心」の指導体制を強調していることに加え、「第15次五カ年計画(十五五規画)綱要」では、「新質生産力」の発展、技術自立、内需拡大、グリーンエネルギー転換、リスク防止と安全保障強化といった政策目標が改めて打ち出された。そのため、短期的には政策路線に大きな修正は行われないとの見方が示された。

台湾政策についても、「台湾独立」勢力への圧力強化、「同等待遇」政策の推進、中華文化の普及など、従来路線が維持されており、目立った変化は確認できないという。

一方、一部の諮問委員は、2026年の「両会」が示した政策基調について、かつての「積極拡張型」から「保守的防御型」へと転換しつつあると分析した。これは、将来的に第4期へ入る習近平政権が、経済レジリエンス、政治的安全保障、そして軍の忠誠維持をより重視していることを示しているという。さらに、中国が現在、政治・経済・軍事の各分野で重大な転換期に直面している可能性、あるいはアメリカによるイラン攻撃など不安定化する国際情勢を背景に、対米対立への備えを強化している可能性も指摘された。

また別の委員は、中国経済が現在、成長エンジンの不足、財政負担の増大、消費低迷、生産能力過剰、「内巻(過度な競争)」、人口高齢化といった複合的な構造問題に直面していると指摘した。政府が「新質生産力」の育成を加速させれば、従来型産業への打撃や失業問題を招く可能性もあるという。

軍事面についても、一部の委員は、習近平が最近、軍内部の粛清と忠誠問題を極めて重視していると分析した。習氏は解放軍に対し「二心を抱くな」と警告し、「政治建軍」を再び強調している。これは軍に求められる最重要条件が軍事専門性ではなく、中国共産党への政治的忠誠であること、すなわち「紅大於専(紅は専に優先する)」という思想を改めて示したものだという。近年続く大規模な軍内部粛清を経て、「第20期五中全会」における人事補充にも注目が集まっている。さらに、中国の2026年度国防予算が前年比7%増となり、GDP成長率目標を上回ったことについても、軍近代化を引き続き優先する姿勢の表れと分析された。

さらにある委員は、「両会」で可決された「民族団結進歩促進法」に言及した。同法は、従来の「作為犯」だけでなく、「非作為犯」にまで処罰対象を拡大したとされる。すなわち、「積極的に民族団結を促進していない」と判断された場合でも、「不作為」とみなされる可能性があり、加えて市民同士による相互告発を奨励し、地方政府による独自立法も認めている。このため、芸術・文化・報道分野への影響は決して小さくないとの懸念が示された。

また、一部委員の分析では、現在の中国の対台湾政策の重点は、「反独立・統一促進」の法制化、両岸共同市場の推進、そして台湾青年層への浸透工作にあるという。中国は法律執行の常態化を通じ、台湾海峡を事実上「内水化」し、自国の管轄権が及ぶ空間であることを既成事実化しようとしているとも指摘された。加えて、中国が台湾へのグレーゾーン圧力をさらに強め、10月の地方選挙に影響を与えようとする可能性もあるとの見方が示された。

陸委会主任委員の邱垂正は、中国「両会」の報告内容や公式言説を総合すると、北京当局は依然として「国内の安定維持」を政策運営の最優先課題としているとの認識を示した。そのうえで、台湾政府としては、両岸関係および国際情勢の変化、中国による対台湾工作の動向を慎重に注視しながら対応していく方針を強調した。

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