中国の第14期全国人民代表大会第4回会議は、12日、「民族団結進歩促進法」を可決した。法案の目的について中国側は、「中華民族共同体意識」を強化し、中華文化への帰属意識やアイデンティティーを高めることにあると説明している。
しかし、この法律をめぐっては台湾側から警戒の声も上がっている。台湾の大陸委員会(陸委会)の沈有忠副主任委員は、「一見すると中国国内の少数民族政策に関する法律のように見える」としながらも、「条文には国外にも適用しうる内容が含まれている」と指摘した。
沈委員によれば、法案には「民族団結と国家統一を推進する」との文言が盛り込まれており、中国当局が今後、この法律を根拠に台湾問題や、いわゆる『台湾独立』勢力への対応を正当化する可能性があるという。
実際、条文には、海外の個人や組織が「民族団結と進歩」を破壊したり、「民族分裂」を扇動したりした場合、法的責任を負うとする規定も含まれている。
これに対し沈委員は、中国の多くの法律や政策は、名目上は国内安定の維持を掲げながら、実際には域外管轄や越境弾圧と拡大していく傾向があると懸念を示した。つまり、中国国内法でありながら、海外在住者や外国組織にまで影響を及ぼす可能性があるという見方だ。
ある政府高官が匿名でロイター社に述べたところによると、この法律は中国の対台湾戦略の変化を象徴しているという。従来、中国の法律は特定の政治的立場を抑え込む色彩が強かった。しかし今回の法案は、単に独立を主張しなければよいという段階を超え、「積極的に中国統一を支持しなければ問題視される」方向に変化したとみられる。