中国の官製メディア・新華社によれば、第14期全国人民代表大会第4回会議に出席した中国人民解放軍・武装警察部隊代表団の張暁剛報道官は10日、メディアに対し台湾問題について最大限の誠意をもって平和統一を追求するとしながらも、武力行使の放棄は決して約束しないと改めて強調した。
張報道官は、台湾に対して必要なあらゆる措置を講じる選択肢を留保すると述べ、その対象は「ごく一部の『台湾独立』分裂勢力とその活動、そして外部勢力による干渉だ」と説明した。目的はあくまで国家主権と領土の一体性を守ることにあると主張している。
さらに張報道官は、「祖国統一は歴史の大勢であり、正しい道だ。一方で『台湾独立』は行き止まりに過ぎない」と強調。民進党政権については、外部勢力を利用して独立を図り、武力による独立を追求していると非難した。そのうえで、台湾を戦争の危機へと追い込み、台湾海峡の現状を破壊している最大の要因であり、平和と安定を損なう根源だと厳しく批判した。
一方で、「台湾の人々が望んでいるのは平穏な日常であり、『台湾独立』勢力の犠牲になることではない」とも述べた。台湾世論への揺さぶりを意識した発言とみられる。
また張報道官は、中国の2026年度国防予算についても説明した。全国一般公共予算に計上された国防支出は約1兆9400億元(日本円で約40兆円超)で、前年から6.9%増加。中央政府ベースでは約1兆9100億元となり、前年比7%増だったという。
増加分の国防費は主に四つの分野に投入されると説明した。
第一に、国防と軍隊近代化の「三段階戦略」に基づき、機械化・情報化・AI化の融合発展を推進し、国家主権や安全保障、発展利益を守る戦略能力を強化すること。
第二に、統合作戦システムの最適化を進め、新領域・新形態の戦力について、実戦化・体系化・大規模化を加速させること。あわせて、従来型戦力の高度化と先端戦闘能力の整備を進めるとしている。
第三に、先進兵器の開発、国防科学技術の革新、現代的な兵站システムの整備を加速すること。
そして第四に、政治教育と実戦型訓練を深化させるとともに、軍事人事制度の改革や軍学校教育の向上を通じ、「質の高い新型軍事人材」を育成する方針を示した。