CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
コスタリカ外交の変化 米国重視・対中抑制の中で台湾接近(2026年2月)

コスタリカの情報機関である情報安全局(DIS)は、2025年5月に関係者5名を台湾へ派遣し、情報技術分野に関する訓練を受けさせた。2007年にコスタリカが台湾と断交して以降、両政府間で確認された初の公式な情報分野の交流とみられている。

さらにコスタリカは、政府関係者を台湾に派遣し、半導体分野での協力を模索するとともに、国際半導体イベントであるSEMICON Taiwanにも初めて参加した。こうした一連の動きは、技術分野における対台湾接近として注目されている。

一方、2月1日に実施された大統領選挙では、保守派のローラ・フェルナンデス(Laura Fernández)候補が勝利した。メディアの分析では、コスタリカは対外関係において米国への傾斜を強める一方、中国との関係は形式的な安定を維持しつつも、政治的には距離を置く方向にあるとみられている。

中米メディア『Centroamerica 360』によると、フェルナンデス大統領は初の外交政策発表の中で、「すべての国家との外交関係を維持する。それは国益に資するものであり、コスタリカの伝統でもある」と述べた。ただし米国に言及する際には、中国との関係よりも明らかに重要視する姿勢を示し、米国が主要な貿易相手国であるだけでなく、麻薬密輸対策における重要な同盟国であり、安全保障上の戦略的パートナーでもあると強調した。

こうした姿勢を裏付けるように、マルコ・ルビオ米国務長官は選挙結果の確定直後に祝意を表明したのに対し、中国の国家主席習近平からの祝電は約1週間後となった。専門家はこの時間差について、コスタリカの新政権に対する中国の政治的影響力の相対的低下を示す兆候とみている。

フェルナンデス大統領は、自らをロドリゴ・チャベス前大統領の後継路線に位置づけている。チャベス政権の対中政策は、全体として慎重かつ抑制的であり、特に戦略的分野においては一定の制限を設ける姿勢が特徴とされてきた。

実際、コスタリカはすでにHuaweiなど中国企業を5G投資から排除しており、この判断は米国の安全基準と歩調を合わせたものとみられている。また、政府関係者の台湾派遣も、中国に対する一定の政治的意思表示と解釈されている。

各種分析では、フェルナンデス政権が現在の方針を維持した場合、対中関係は貿易や文化交流などの分野を中心に維持される一方、通信インフラや重要技術、安全保障に関わる領域では、慎重かつ抑制的な姿勢が続くとの見方が多い。他方で、両国関係が急速に悪化する可能性は低く、短期的に大きな政治的転換が打ち出されるとの見方は限定的だ。

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