台北市新住民事務委員会の元委員(2023年)で、2024年選挙の立法委員候補として名前が取り沙汰された徐春鶯が、複数の刑事事件に関与した疑いで検察当局の捜査を受け、11月27日に勾留・接見禁止の処分を受けた。
検察によると、徐は約1,000万元(約5,000万円)を中国側へ地下送金した疑いがあり、銀行法違反に当たるとされる。また、偽造書類を用いて銀行から約2,000万台湾元(約1億円)の融資を受けたとして、詐欺罪の疑いも持たれている。
さらに検察は、2024年の総統選挙に柯文哲・前民衆党主席が出馬した際、また2022年台北市長選挙に当時無所属の黃珊珊氏が出馬した際、徐が「浸透源」とされる中国側勢力から指示と資金提供を受け、候補者の支持表明や宣伝活動に協力したと指摘。これらの行為は、反浸透法第4条第1項に抵触するとしている。
報道によれば、民衆党は2024年の総統・立法委員選挙で、徐を比例代表の「当選確実リスト」に入れる計画を持っていたが、世論の反発を受け最終的に見送ったという。事件を受けて民衆党は、司法に対し、公平に処理し政治操作を繰り返さないよう訴える声明を出した。
徐は上海出身で、上海市虹口区商業局所属の国営企業に勤務した後、楊浦区商業局所属の国営企業へ転勤した。そこで労働組合幹部や人事課長などを務めた経歴を持つ。1993年には台湾人配偶者の身分で台湾に移住した。2011年以降は、台湾新住民発展協会の常務理事・理事長、中国国民党の新住民工作委員会委員、中華両岸婚姻家庭服務連盟秘書長、台北市新住民事務委員会委員などを歴任。現在は民衆党新住民委員会の主任委員を務めている。
*注: 「新住民」とは、1990年代以降に急増した台湾への移民を指し、特に中国大陸や東南アジアからの婚姻移民が多い。台湾政府は教育・就労・社会参加の支援を積極的に行っている。