CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
総統府警備の士官3人とサイバー軍の兵士が中国スパイ事件に関与 懲役5年~7年の判決が確定(2025年12月)

総統府の安全維持を担当する憲兵指揮部(憲指部)211営の士官・頼重宇、黎育爾、林裕凱と、国防部サイバー軍の兵士・陳文豪は、2022年から2024年にかけて、いわゆる「先輩が後輩を勧誘する」手口で人員を取り込み、211営および電子作戦指揮部(電指部)に関する機密情報を中国の情報機関へ漏洩し、26万~66万元(約130万~330万円)の報酬を受け取っていた。

関係者によれば、頼重宇と陳文豪は2022年4月から、スマートフォンで機密文書を撮影し、中国側へ送信していたという。その過程で重要な役割を果たしたのが、指名手配中の仲介人・黄(フアン)で、主要な情報伝達の窓口となっていた。これらの行為によって、中国の情報機関は重要な軍事情報を迅速に入手し、海外における情報網の拡大戦略を推進できる状況となり、地域の安全と安定に深刻な影響を及ぼす可能性があった。

また、陳は2023年、偽名を用いて同僚数名に「軍事情報の提供で報酬を得る意思があるか」を探り、そのうち一名の現役軍人の連絡先を頼に渡した。頼はそれを黄あるいは中国側の情報員に共有したが、当該軍人が情報提供を拒否したため、犯行は未遂に終わった。

さらに、検察によると、頼の転勤後は黎が代わって2024年2月に機密文書をスマホで撮影し、中国に送信していた。黎の退役後には、同じ部門に所属する林を紹介し、林も2024年1月から同様のスパイ活動に関与していたとされる。

本件は、国防部が別の軍人を検挙したことを端緒として発覚し、憲兵指揮部および法務部調査局による調査を経て、台北地検が捜査を担当した。検察は2024年8月から12月にかけて捜査を進め、事件の全貌を解明したうえで、頼らを国家安全法違反などの容疑で起訴した。

高等法院(高裁に相当)は12月4日に懲役5年10か月から7年の判決を言い渡し、林は控訴を取り下げて確定した。残る3人も最高法院(最高裁に相当)が上訴を棄却し、判決が確定した。

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