CIGS中国研究センター

現地報道からの情報
英国政府、中国スパイ事件に関する証言を公開 台湾関連情報の漏洩も(2025年10月)

英国政府は10月15日、議会での中国スパイ事件に関する副国家安全顧問の証言を公開した。証言によれば、3月に逮捕された2人(4月に起訴されたものの9月に取り下げ)は中国側に対し、台湾政府関係者の英国での活動を報告していたとされる。報告内容には、台湾国防部代表による英国議会議員との非公開接触に関する情報も含まれていた。

逮捕されたのは、アリシア・カーンズ議員の元秘書であるクリストファー・キャッシュ氏と、かつて中国で教師として勤務していたクリストファー・ベリー氏の2人。両名は2023年3月、英国の安全保障と利益を損なう資料を中国に送ったとして、「直接または間接的に敵国に協力した疑い」が持たれている。キャッシュ氏は、保守系議員の政策機関「中国研究グループ(CRG)」に所属していた元研究員でもある。

英紙「メール・オン・サンデー」の報道によれば、カーンズ議員が2022年11月に台湾を訪問した際、ベリー氏は中国側に対し、英国議員団が宿泊したホテル名と部屋番号を報告していたという。

証言によると、ベリー容疑者は「アレックス」と名乗る中国の工作員に取り込まれ、報告書の作成や必要情報の提供を依頼されていた。英国警察は、アレックスがダミー組織を通じて中国国家安全部(国安部)との関係を隠していたとみている。また、アレックスが収集した情報は中国の高官に伝達されていたとされ、証言では具体名は明かされていないものの、蔡奇氏である可能性が指摘されている。

ベリー氏は、台湾国防部の関係者がCRGの主要メンバーと面会し、中国による武力侵攻への対応策を議論したことをアレックスに報告。さらに、台湾側関係者の経歴を説明しただけでなく、キャッシュ氏から提供された現場写真も共有していたという。

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