外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

  • 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、キヤノングローバル戦略研究所としての見解を示すものではありません。
  • 当サイト内の記事を無断で転載することを禁じます。

2023年4月18日(火)

外交・安保カレンダー (4月17-23日)

[ 2023年外交・安保カレンダー ]


まずは、今週の日本と世界の動きから。

4月18日 火曜日 ロシア外相がベネズエラ、ニカラグア、キューバを訪問する

【何しに行くのかは知る由もないが、ウクライナ戦争で劣勢となっているロシアが、これらの国々に武器弾薬を含む軍事支援まで求めるのか、それとも、少なくとも、アメリカの裏庭でアメリカの嫌がることでもやって欲しいということか。先日は週末にもかかわらず、プーチン大統領が訪ロした中国国防部長に会っていると報じられたばかり。最近のロシアの動きは「悪足掻き」にすら見えるのだが、これって偏見だろうか?】

4月19日 水曜日 米国防総省の機密文書を漏洩した容疑で逮捕されたアメリカの若い州兵の拘留期間延長の可否を決める公聴会が米国で開かれる

【それにしても、あんな理由でこれほど機微な情報を易々と洩らす若者がアメリカにいるかと思えば、日本でも安倍総理暗殺事件、岸田総理襲撃未遂事件を起こす若者がいるという事実は、単なる偶然か、それとも、これは世界的な傾向の前兆なのか?少なくとも、日本での動きは不気味ですらある】

4月21日 金曜日 WMO(The World Meteorological Organization)が2022年版の世界気象報告を発表する

【うーーん、この地球温暖化問題は正直なところ、科学者ではないので、良く分からない。一つだけ分かっていることは、今の国際政治が「地球は温暖化してる」という公理に基づいて戦われている、ということだけ。今はこれで戦うしかない、のである。

4月22日 土曜日 日本でG7労働農業大臣会合が開かれる

【このところ日本各地でG7関連大臣会合が開かれるので、警備関係者の苦労は大変だろうと推察する。何事もないことを祈ろう】

4月24日 月曜日 今年の「北海サミット」がベルギーで開催される

【昨年はデンマーク主催で開かれた「北海サミット」はデンマーク、ドイツ、ベルギー、オランダの首脳が、北海を欧州のグリーンな発電所とする共同宣言に署名しているが、今年はどうなるのか。欧州の気候中立目標の達成というのが表の議題だが、裏の議題はウクライナ戦争によるエネルギー不足問題なのかもしれない】

今週筆者が注目したのは軽井沢でのG7外相会合だ。共同宣言の中身は想定の範囲内だと思うが、一番驚いたのは、この会合出席者が全員英語に堪能で、通訳を介した議論が少なかった、または、殆どなかった可能性があるということだ。1979年の第一回東京サミット開催時、筆者は外務省の一年生、当時のサミット準備事務局の末席を汚していただけに、こうしたG7外相会合が開催されたこと自体、隔世の感がある。詳しくは今週の産経新聞のコラムをお読み頂きたい。

〇アジア
中国訪問から帰ってきた仏大統領がインタビューで、「ヨーロッパは『アメリカの追従者』になるという圧力に抵抗しなければならない」などと述べ、世界各地で大炎上している。マクロンさん、そんなことを言う暇があったら、まずは国内の年金支給年齢引き上げに反対する騒動を何とかしたら?と言いたくなる。

〇欧州・ロシア
ウクライナ戦争関連の機密情報流出関連の報道が止まらない。しかし、よく考えてみれば、既に一部で報じられ、関係者の間では周知の事実である内容も少なくない。されば、大スキャンダルではあっても、実害は意外に小さいか。だが、出回っている情報がロシア側などによって加工されている可能性もあるだけに、即断は禁物だ。

〇中東
フランス外交筋が「地政学的バランスの再構成など中東で重大な変動が進んでいる」と指摘、米欧抜きで事態が進む現状に「G7は安全保障上の国益を守らなければならない」と訴えたという。うーん、それは間違いないのだが、元々、中東におけるフランスの影響力には限界があるのでは?今のフランスには昔の威光が感じられない。

〇南北アメリカ
昨日CNNを見ていたら、今年に入りアメリカでは大規模銃乱射事件が160回以上起きているという。ざっと一日に1.5回の乱射事件があるということだが、先日ナッシュビル小学校での事件が確か129回目だったから、恐ろしい頻度で事件が増えていることになる。それでもアメリカは変わらないと思うけど・・・。

〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。

<今週以前から続く会議>

1月23日‐5月5日 行政・予算問題諮問委員会冬季セッション(ニューヨーク)

3日‐4月20日 軍縮委員会、年次総会(ニューヨーク)

11日‐4月28日 人種差別撤廃委員会第109回会合(ジュネーブ)

16日‐4月18日 G7外相会合(日本・長野)

4月

<4月17日‐4月23日>

17日‐5月12日 拷問禁止委員会、第76回会合(ジュネーブ)

17日‐4月20日 UNCITRAL、作業部会V(倒産処理法)、第60回会議(ニューヨーク)

17日‐4月20日 欧州議会本会議(ストラスブール)

17日‐4月28日 先住民族問題に関する常設フォーラム、第22回会合(ニューヨーク)

18日 中国第1四半期経済指標(GDP成長率、固定資産投資、社会消費品小売総額等)発表

19日 ブラジル2月鉱工業生産指数発表

19日 米地区連銀景況報告(ベージュブック)(FRB)

19日 Starlink Group 6-2・ファルコン9ブロック5、SpaceX(ケープカナベラル宇宙軍施設)

20日 メキシコ2月小売・卸売販売指数発表

20日 ウクライナ1~2月貿易統計発表

22日 米国2023年会計年度国防授権法(NDAA)に基づく、国外の重要鉱物資源への米国のアクセスに関する国務省報告書の議会への提出期限

23日 統一地方選・後半戦投開票(一般市区町村長選、一般市区町村議選、一部翌日開票)

23日 衆参5補選が投開票

24日 EU外相理事会

24日‐4月27日 第47回ASEAN航空輸送ワーキンググループ(ATWG)および関連会議

24日‐4月28日 FAO、理事会、第172回セッション(ローマ)

24日‐5月4日 情報委員会、第45回会合(ニューヨーク)

<4月24日‐4月30日>

25日 ブラジル2月月間小売り調査発表

25日‐4月28日 人権理事会 状況作業部会 第31回会合(ジュネーブ)

25日‐6月2日 国際法委員会、第74セッション、前半(ジュネーブ)

26日 ロシア2023年第1四半期鉱工業生産指数発表

26日 ウクライナ復興に関するイタリア・ウクライナ2国間会議(イタリア・ローマ)

26日 米韓首脳会談(ワシントン)

26日‐4月28日 第1回米州都市サミット(CSOA)開催(コロラド州デンバー)

27日 米国2023年第1四半期GDP発表(速報値)

27日 メキシコ3月貿易統計発表

27日 1‐3月期の米GDP速報値(商務省)

28日 1-3月期のユーロ圏GDP速報値(EU統計局)

28日 ロシア中央銀行理事会

28日 ブラジル3月全国家計サンプル調査発表

28日 WTO紛争解決機関会合

28日 フランス2023年第1四半期実質GDP成長率(速報値)発表

30日 パラグアイ大統領選挙

5月

1日‐5月2日 林芳正外相が中国訪問

2日‐5月3日 ブラジル中央銀行、Copom

2日‐5月3日 米国FOMC

2日‐5月5日 アジア開発銀行(ADB)年次総会(韓国・仁川)

3日 米FOMC最終日(声明発表とFRB議長会見)(FRB)

3日 ユーロスタット、3月失業率発表

4日 英地方選

4日 メキシコ3月雇用統計発表

4日 米国3月貿易統計発表

4日 ECB定例理事会(金融政策発表と記者会見)(フランクフルト)

5日 米国4月雇用統計発表

6日 チャールズ英国王戴冠式

7日 チリ憲法評議会選挙

8日‐5月11日 欧州議会本会議(ストラスブル)

8日‐5月10日 IFAD、理事会、第138回会合(ローマ)

8日‐5月26日 女子差別撤廃委員会 第85回会合(ジュネーブ)

8日‐5月26日 子どもの権利委員会、第93回会議(ジュネーブ)

9日 中国4月貿易統計発表

9日 メキシコ4月自動車生産・販売・輸出統計・CPI発表

9日‐5月11日 第29回ASEAN社会文化コミュニティ評議会(ASCC)

9日‐5月11日 第26回ASEAN政治安全保障共同体評議会(APSC)

10日 米国4月CPI発表

10日 ブラジル3月鉱工業生産指数発表

10日 韓国の尹錫悦大統領就任1年


宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問