外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

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2021年8月11日(水)

外交・安保カレンダー (8月9-15日)

[ 2021年外交・安保カレンダー ]


17カ月振りの米国出張中、未明のワシントンでこの原稿を書いている。新型コロナワクチンは余っているのに、これを打とうとしない人々が何千万人もいる米国からみると、粛々と接種は進んでいるが、思うようにワクチンが打てない日本の方が、ずっとマトモに見えるから不思議である。
数日前に米国の一日の新規感染者数が再び10万人を超え、一週間前から40%近く急増しているのに、今日の数字をなぜかテレビは報じていない。この国では日本のように一日の新規感染者数で一喜一憂しない。無関心なのか、鷹揚なのかは知らないが、この国の「新型コロナ感覚」は人により、場所により、様々なのだろう。
今ワシントンでは日本では聞かない論争が起きている。その典型例がコロナワクチンをめぐる民主党と共和党の非難の応酬だ。ワクチン接種に前向きでないフロリダ州などで新規感染者が急増した。共和党系知事がマスクやワクチンの義務化に強硬に反対しているからだ。ここでもトランプ前大統領の影が見え隠れする。
当地ワシントンでも再びマスクをする人が急に増えたらしいが、これまた人や場所によって、マスクの着用から、握手の有無まで、千差万別だ。幸い今回は多くの対面訪問が実現したが、このままデルタ株感染が拡大すれば、来週には「雰囲気が変わるかもしれない」と言われた。筆者は運が良かったのかもしれない。
ワシントンではいつも、ホテルのTVで保守系FOXニュースとCNNなど中道リベラル局のニュース番組を15分おきに見比べている。4日前のFOXのトップニュースは「バイデン政権は南西部国境に押し寄せる新型コロナ感染の不法移民を放置」だった。新型コロナ禍が米国社会の分断を深刻化させている可能性が見て取れた。
保守派はバイデン政権を批判するが、まずはテキサス州などで米国市民のワクチン接種を義務化するのが筋だろう。だが、保守派の主張は「米国は自由の国であるにもかかわらず、連邦政府がマスク着用やワクチン接種を義務化するなら、合衆国憲法違反だ」という。なるほど、これでは論争は平行線となるのも当然だ。
 米国への入国は簡単だったが、問題は日本帰国後である。空港での検査、専用アプリの活用、2週間の自己検疫というと、米国の友人たちは驚く。しかし、それが日本のルールだから仕方がないだろう。人口当たりの感染者数が日本と一桁違っても、アメリカにはアメリカのルールがあるのだから、これまた仕方ないのである。

〇アジア
10-13日に米韓両軍が危機管理参謀訓練を始め、16日からは朝鮮半島有事を想定した合同指揮所演習を実施するという。当然のことで、これをやらなければ軍の練度は確実に下がる。ところが、相変わらず北朝鮮の金与正・党副部長は韓国に「強い遺憾を表明」、合同指揮所演習は規模を縮小するらしい。これで大丈夫なのか?

〇欧州・ロシア
 リトアニアが台湾代表処設立を認めたことに対し、中国は駐リトアニア大使の召還を決め、リトアニア側にも駐中国大使を引き揚げるよう要求、「直ちに誤った決定を正すよう促す」などと猛反発したそうだ。おいおい、大国中国が欧州の小国をこうも扱うのか。弱い者いじめする「いじめっ子」が愛されないことぐらい、分からないのかなあ。

〇中東
 ワシントンではアフガニスタンからの米軍撤退について議論が続いている。最も正しい措置は数千の部隊を残し、現状維持を図ることで、理論的には決して不可能ではない。問題は米国人のメンタリティで、「米軍は勝った場所にしか長期駐留せず、負けた場所には残らない」からだ、と米国の友人が自虐的に笑った。これは正しい。

〇南北アメリカ
FOXニュースにトランプ前大統領が電話出演し、相変わらずの発言を繰り返していたが、トランプ再出馬の可能性も今のワシントンでは大きな話題の一つだ。結局出馬できないだろうという楽観論と、必ず出馬するという楽観(悲観)論が錯綜する。トランプ氏に直接聞くしかないが、筆者は「まだまだ意欲満々」と見ている。

〇インド亜大陸
 特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。



7月26-910ジュネーブ軍縮会議 third part(ジュネーブ)

8月9日 中国7CPI発表

9日 メキシコ7CPI

9日 長崎原爆の日

9日 ベラルーシ大統領選から1年

9日 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書公表

9-27日 UPU(万国郵便連合)大会議 第27回会合(コートジボワール・アビジャン)

10日ASEAN海軍チーフミーティング

10日 ブラジル7IPCA発表

10日 ファルコン9(スペースX社スターリンク衛星 60機)打ち上げ(ヴァンデンバーグ空軍基地)

10-13日 日本・國場外務大臣政務官がシンガポールおよびブルネイを訪問

10-26日 UN人種差別撤廃委員会第104回会合(ジュネーブ)

10-9月3ニュージーランドAPEC3回高級実務者会合

11日 米国7CPI発表

11日 メキシコ6月鉱工業生産指数発表

11日 ブラジル6月月間小売り調査発表

11日 ロシア7月雇用統計発表

11日 第5回日タイ・ハイレベル合同委員会の開催(オンライン形式)

11日 アンタレス(ノースロップグラマン社商用補給機16号機)打ち上げ(ワロップス飛行施設)

11-12日 イスラエル・ラピド外相がモロッコを訪問

11-13日 持続可能性のための情報と自動化に関する国際会議(IEEE ICIAfS)

12日 インド6月鉱工業生産指数発表

12日 ザンビア大統領選・国民総選挙

12日 GSLV MK-Ⅱ(EOS-03(GISAT-1))打ち上げ(サティシュ・ダワン宇宙センター)

14日 韓国「慰安婦の日」

15日 終戦記念日

15日 インド独立記念日

15日 韓国・光復節

16-22日>

16日 中国7月固定資産投資、社会消費品小売総額発表

16日 ヴェガ(地球観測衛星ブレアデス・ネオ4他)打ち上げ(仏領ギアナ基地)

16-20日APEC食料安全保障担当相会合(バーチャル)

16-20日 UN人権理事会諮問委員会 第26回会合(ジュネーブ)

17日 米国7月小売売上高統計発表

17日 EU4-6月GDP発表(EU統計局)

17日 長征2C(Internet Convergence Test Satellite 1,2)打(甘粛省・酒泉衛星発射センター)

18日 EU7月CPI発表

19日 FOMC議事録(FRB)

19日 第92回ASEANビジネス諮問委員会(ASEAN-BAC)会議

21日 ソユーズ-2.1b(ワンウェブ衛生#9 34機)打ち上げ(バイコヌール宇宙基地)

22日 シンガポール首相独立記念集会演説(ナショナルデー・ラリー、政策方針演説)

22日 横浜市長選挙




宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所研究主幹