ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2025.05.26

ワーキング・ペーパー(25-014E)Asset Price Booms, Debt Overhang and Debt Disorganization

本稿はワーキングペーパーです。

経済理論

この論文では、金融危機について、実証研究で示された定型的な事実を再現する、扱いやすい理論モデルを提案する。借入による投資で資産価格が急騰するときには、多くの場合は間もなく崩壊する傾向があり、その後、生産性の低下を伴う深刻で持続的な不況に陥ることが多い。企業は、借入金で資産を購入することで、リスクを貸し手にシフトできるので、資産価格の急騰と急落を増幅させる(リスクシフティング効果)。結果として生じる過剰債務(デットオーバーハング)は、借り入れ企業の追加的な支出意欲を減退させ、生産性を低下させる。この非効率性は、需要の外部性を通じて生産ネットワークの縮小を引き起こす(これをデットディスオーガニゼーションと呼ぶ)。資産価格のブームが大きくなると、その後の不況は、より一層、深刻で、かつ長期化することが示される。貸し手は債務削減によって貸し手の利益が増大することを知っており、債務が小さい場合は、自発的に債務を再編し、社会的に最適な状態を達成することができる。一方、債務が大きい場合には、外部性を低減し、総生産性を回復するために、貸し手による債務再編を促す政府補助金が必要である。


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