地球温暖化予測に使う気候モデルは、上空(対流圏下部)の気温も海水面温度も高くなりすぎる、と言う話を以前に書いた。
今回は地上気温の話。米国の過去50年について、観測値(青)とモデル計算(赤)の夏(6月から8月)の気温を比較したら、殆どのモデルは暑くなり過ぎていた。(図)
気温上昇率は観測だと10年あたり0.26℃だったが、モデル計算ではその3倍近くの0.71℃というものまであった。
米国では、地球温暖化による高温で干ばつになったり山火事が起きるといった話がよくあるが、その多くはこのようなモデルに基づいたシミュレーションの結果だ。
なおこの米国の地上観測値のデータセットには、都市化の影響が少なからず混在しているとみられるので、実際にはモデルの過大評価はもっと深刻であろう。