先般、東京都に「太陽光パネル義務化反対」請願を一都民として提出したことを書いた。これに対して都からの回答があったので、これまた一都民として報告しておこう。
ただしこれだけでは全然回答になっていないので、メールでさらに質問した。
《環境局気候変動対策部
環境都市づくり課制度調整担当 御中
都民 杉山大志
標記、4環気環第125号(添付ファイル)を郵便にて拝受いたしました。
以下2点について対応願えれば幸いです。
1.「パブリックコメントに寄せられた「主な意見」と「都の考え方」」なる資料に言及がありますが、当該資料が同封されておりませんでしたので、このメールアドレスにEMAIL送付願えますでしょうか。
2.提示いただいた資料(Q&A、カーボンハーフ)を拝読しましたが、小生の質問に対する回答にはまったくなっておりません。小生はそれら資料を全て事前に読んだ上で質問しました。回答になっていない既存資料の提示ではなく、いまいちど、小生の質問についてよく検討の上、文書にて回答ねがいます。》
これに対する回答が以下。やはり回答になっていない。
一見、文面は丁寧だが、慇懃無礼のお手本のような文だ。ひたすら「Q&Aなどの都の資料を参照せよ」と書いてあるが、こちらはそんなQ&Aはすべて読んだ上で、さらに要点を3つに絞って質問しているのだ。
それなのに、日本語が分からないのか、分からないふりをしているのか、東京都の回答はまったく回答になっていない。
詳しくは前回書いたので、以下、あらためて請願の主旨を端的に書こう。
1 人権の問題: 東京都は太陽光パネルを義務付けるとしているが、その太陽光パネルは中国製が大半を占め、強制労働の疑いが強い。欧米は使用禁止の方向だ。その一方で「事業者は人権を尊重しろ」と東京都は言うが、無理難題ではないか。東京都は事業者に責任を押し付けるのか? そのような義務付けが許されるべきか?
2 経済の問題: 太陽光パネルの費用は電気代の形で国民全般が負担する。それは再エネ賦課金だけに留まらない。太陽光発電の本当の価値はせいぜい火力発電燃料の節約分しかなく、火力発電所や送電線等への投資を減らすことはできない。東京都は「建築主は元が取れる」と繰り返すばかりだが、その原資は国民全般の電気料金だ。東京都はこの国民全般に付け回される負担について全く説明していないではないか。
3 防災の問題: 江戸川区など江東5区においては大規模水害が想定されており、太陽光パネルの水没時には感電の危険がある。だが東京都は「まだ感電事故は起きていない」「水没時には専門家を呼べ」などとするだけだ。大水害で周囲一帯に太陽光パネルが水没しているときに悠長に専門家など呼べというのか。それに「まだ事故は起きていない」から義務付けるというのは何事か。十分に想定されている範囲のリスクなのだから、よく安全を確認すべきだ。
(NEDO資料)https://www.jpea.gr.jp/news/533
都はこの2022年12月に都議会へ条例案を提出し、2025年4月から施行の予定としている。だがこの問題、そう簡単に都民の納得が得られるとは到底思えない。