コラム  エネルギー・環境  2020.09.18

直接空気回収技術(DAC)は地球温暖化問題を一発で解決するか

エネルギー・環境

直接空気回収技術(DAC)とは何か?

「大気中のCO2を取り込んで地中に埋める」という技術が、近年、注目を集めている。「直接空気回収(Direct Air Capture; DAC)」と呼ばれるものだ。地球温暖化の原因がCO2であるならば、そのCO2を大気から取り除いてしまえばよい、という訳である。

原理的には、これはいますぐでも出来る。CO2は酸なので、アルカリ性の溶液に吸収できる。その後、溶液を温めればCO2が発生するので、それを集めて地中にポンプで押し込んでやればよい。砂岩であれば隙間があるから、CO2はそこに入る。大気中に漏れてこないためには、その上に泥岩などの隙間の無い地層があって蓋になっていればよい。そのような都合の良い地形は、世界を探せば結構ある。例えば天然ガスを産出するガス田は、そのような地形に、太古の生物が分解されてできたガスが溜まったものだ。

ただし以上を、一定のコストで実現するには、様々なハードルがある。特に、CO2は大気中に僅か0.04%しかないから、それを集めて濃縮するには、材料やプロセスに様々な工夫が要るし、エネルギーも必要だ。だがDACは一定のコストで実現可能だとして、あらたなアイデアに基づく試算が続々と出てきた。更にはパイロットプラントも建設されている。

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