レポート 外交・安全保障 2017.08.23
1.概要
2017年7月8日(土)~9日(日)、当研究所は第26回CIGS政策シミュレーション「北極海の安全保障:ラスト・フロンティアか新たなリスクか?」を開催した。今回のシミュレーションでは2025年7月を想定し、北極海の海氷面積の減少が進む中、北極海航路の交通量が大幅に増大し、北極圏でのエネルギー資源開発が積極化する状況を設定した。北極海沿岸国である米国、カナダ、ロシア、北欧諸国による権益の競争、中国や日本の資源開発への参入、北極海航路の経済性や安全性の確保、北極圏の軍事的価値の再評価、北極圏をめぐる新しいガバナンスの在り方、など広範な課題が議論の対象となった。
本シミュレーションには、現役官僚、研究者、企業関係者、ジャーナリストなど約40名が参加し、2日間の演習を通じて多くの教訓と課題が抽出された。シミュレーションのチームとプレイヤーは、ロシア連邦(大統領・首相・外相・防相・軍参謀総長他)、アメリカ(大統領・国務長官・国防長官・統参本部議長・大統領補佐官他)、中国(国家主席・首相・外相・国防部長・軍参謀長他)、日本(首相・外相・防衛相・国家安全保障局長他)、北極海周辺国等(カナダ、オランダ、ノルウェー、デンマーク、北極評議会事務局)、メディア(国際メディア・日本メディア他)を設定した。シミュレーション・コントローラーは進行の統括とともに、グリーンランドを兼務した。・・・