レポート  外交・安全保障  2016.10.28

第23回PAC政策シミュレーション「ペルシア帝国は復活するのか?」概要報告と評価

1.概要

                                   

 2016年7月9日(土)~10日(日)、当研究所は第23回PAC政策シミュレーション「ペルシア帝国は復活するのか?」を実施した。今回のシミュレーションは、2020年前半のイランとサウジアラビアの関係悪化、イランの核開発の再開、そしてイスラム過激主義の勢力拡大による秩序不安定化を中心とした中東情勢をテーマとした。とりわけイランが、米・イランの包括合意(2016年)による核開発凍結期間(凡そ10年間)の終了を目処に、いかに行動し、また各国はどのように対イラン政策に取り組むのかを検証した。

 本シミュレーションには、現役官僚、研究者、企業関係者、ジャーナリストなど約40名が参加し、2日間の演習を通じて多くの教訓と課題が抽出された。シミュレーションのチームとプレイヤーは、イラン(大統領・外務大臣・国防大臣・革命防衛隊司令官他)、サウジアラビア(国王・皇太子(国防大臣)・外務大臣・参謀長他)、米国政府(大統領・国務長官・国防長官・国家安全保障担当補佐官他)、日本政府(首相・官房長官・外務大臣・防衛大臣・国家安全保障局長他)、中国(国家主席・首相・外交部長・国防部長・人民解放軍総参謀長他)、ロシア(大統領・首相・外務大臣・国防大臣・軍参謀総長他)、メディア(海外メディア・日本国内メディア)を設定した。

 また今回の政策シミュレーションでも前回と同様にLINE株式会社と協力し、メッセンジャープラットフォームである「LINE」を活用し、各チームの情報配信(テキスト、画像、映像)、コミュニケーション、情報共有を促進した。ほぼ全てのプレイヤーはタブレット端末を携帯し、常時情報取得と配信ができるようにし、リアルタイムのシミュレーション進行を把握できるようになった。・・・

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第23回 PAC政策シミュレーション「ペルシア帝国は復活するのか?」概要報告と評価