メディア掲載  財政・社会保障制度  2015.03.26

非営利ホールディング法人を"絵に描いた餅"にするな

Visionと戦略, 2015.4に掲載

厚生労働省が法制化しようとする地域医療連携推進法人の仕組みを運営している医療グループは既に多数存在する。一体、何が新型法人の特徴なのか。非営利ホールディングカンパニー創設の提唱者である松山幸弘氏に、是々非々で評価を聞いた。


≪病床過剰地域で病床融通、収益改善は保証されない≫

■地域医療連携推進法人の骨格に対する評価についてお聞かせください。

松山 持分あり医療法人を地域単位でグループ化する検討会の進め方に、私は当初から大反対でした。私が政府に提言し続けてきた非営利ホールディングカンパニーは、大学附属病院、国公立病院を改革するためのスキームです。これらの病院群は、税金で重複投資を過剰に行い、医療産業の生産性向上の最大のネックになっているのです。

 厚労省が発表した「地域医療連携推進法人(仮称)の創設について」の記載内容で、一番のポイントは「地域医療構想を達成するための一つの選択肢として」という文言です。「一つの選択肢として」が意味するのは、新型法人制度が利用されなくとも構わず、社会医療法人など既存の制度には何ら影響がないということです。これは、医療法人と社会福祉法人を束ねる仕組みという見当違いの検討を求めた閣議決定に対する厚労省側の抵抗と私は勝手に解釈しています。・・・


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非営利ホールディング法人を"絵に描いた餅"にするな