書籍紹介

防衛産業-「軍拡時代」の防衛力と日本

防衛産業-「軍拡時代」の防衛力と日本

伊藤 弘太郎(編), 佐藤 丙午(編), 小木 洋人(編)

出版社 勁草書房
ISBN 978-4-326-30367-0
価格 3,850円(税込)
発行 2026年10月初版

伊藤 弘太郎

伊藤 弘太郎

Kohtaro Ito

主任研究員

[研究分野]
外交・安全保障

概要

防衛産業は防衛力そのものだ。大国間対立が深まり、各国が軍備を増強する中で防衛産業はどうあるべきか? 日本がとるべき戦略とは?

衰退基調にあった日本の防衛産業は、ウクライナ侵攻や台湾有事危機の高まりにより「防衛力そのもの」として重要性が高まった。財政難や安全保障環境の激変のなか、成長産業への転換が不可欠だ。本書は新進気鋭の研究者たちが、安全保障政策、防衛経済、国際戦略の各視点から防衛産業を総合的に分析し、日本の課題も提起する。

目次

略語一覧

序章 なぜ防衛産業が重要なのか[伊藤弘太郎・佐藤丙午]
 1 防衛産業の定義 
 2 防衛産業と軍の関係 
 3 民生品とは異なる防衛装備品の需要と供給のバランス 
 4 防衛装備品の輸出・輸入が必要になる理由 
 おわりに──本書の目的とその概要 

第Ⅰ部 安全保障政策と防衛産業

第1章 防衛産業の国際構造──戦略環境で変わる産業のかたち[小木洋人]
 はじめに 
 1 時代で変わる防衛産業の構造 
 2 防衛産業に影響を与える要因 
 3 防衛産業の態様と国家の防衛産業政策 
 4 国際構造の変化──19世紀から現代まで 
 おわりに 

第2章 「軍産複合体論」の解体と再構築──軍と防衛産業のあるべき関係とは[森本正崇]
 はじめに 
 1 アイゼンハワー大統領退任演説の真意 
 2 ビッグサイエンスとは何か 
 3 軍産複合体批判 
 4 軍産複合体の意義と問題点 
 5 軍産複合体の利点と欠点が持つ両面性 
 おわりに 

第3章 継戦能力に必要な防衛産業──現代戦における課題[村野将]
 はじめに 
 1 急速な弾薬消耗の問題 
 2 弾薬備蓄の拡大を制約する構造 
 3 継戦能力を支える評価軸──規模拡張性と適応性 
 4 新たな評価軸の兵器体系──「アフォーダブル・マス」 
 おわりに 

Column 1 政治と防衛産業(佐藤丙午) 

第Ⅱ部 防衛経済

第4章 防衛産業の再編・統合──効果と副作用[池上敦士]
 はじめに 
 1 再編・統合の定義 
 2 防衛産業の再編・統合の事例 
 3 総合的考察および日本への示唆 
 おわりに 

第5章 防衛産業のファイナンス[佐藤丙午]
 はじめに──これまでの防衛経済研究 
 1 防衛経済の考え方 
 2 「防衛産業のファイナンス」とは? 
 3 防衛予算と防衛経済 
 4 防衛政策と防衛費 
 5 防衛産業への資金提供 
 6 防衛産業の再編・統合について 
 おわりに 

第6章 防衛産業における人的資源[清岡克吉・佐藤丙午]
 はじめに──動的な課題としての人的資源問題 
 1 人的資源問題と安全保障政策 
 2 人的資源の需給ギャップ──構造的問題 
 3 ‌防衛産業における人的資源管理──人的資源をめぐるミクロ問題 
 4 人的資本をめぐる包括的問題 
 おわりに 

Column 2 防衛調達と産業政策(小木洋人) 

第Ⅲ部 防衛産業の国際戦略

第7章 各国の装備品輸出政策──日本は何を学べるか[伊藤弘太郎・長沢健太]
 はじめに 
 1 輸出政策の比較──米国・英国・ドイツ・韓国 
 2 日本の装備品輸出制度をどうデザインするか 

第8章 装備品の国際共同開発の条件──欧米とアジア[小木洋人・清岡克吉・伊藤弘太郎]
 はじめに 
 1 国際共同開発を促進する要因,阻害する要因 
 2 欧州および米国の国際共同開発 
 3 アジアの国際共同開発 
 おわりに 

Column 3 輸出の促進と管理(森本正崇) 

終章 防衛産業の展望[佐藤丙午・伊藤弘太郎]
 1 日本の防衛産業は成長戦略の一分野に 
 2 装備品製造コスト・人材育成および技術管理の問題 
 3 防衛産業への軍の期待 

あとがき 
索引 
執筆者紹介