古谷 知之 (編集), 伊藤 弘太郎 (編集), 佐藤 丙午 (編集)
出版社 勁草書房
ISBN 978-4-326-30338-0
価格 3960円(税込)
発行 2024年02月初版
伊藤 弘太郎
Kohtaro Ito
主任研究員
戦場はすでに変わった。いまやドローンが敵の位置を捉え、爆弾を落とし、そして自爆さえして相手を追いつめる。ウクライナ戦争でも活躍しているドローンは、はたして戦争の「ゲームチェンジャー」なのか?
軍事用ドローンの基本から各国の開発や運用、将来の可能性や日本の課題まで、第一線の専門家が結集して徹底的に検証する。
序章 「軍事用ドローン」の衝撃[古谷知之・伊藤弘太郎]
1.軍事ドローンの世界的趨勢
2.なぜドローンを戦場に投入するのか?
3.ドローンという器を使ったAI戦略
4.何が脅威なのか?
5.我が国のドローン導入への取り組み──安全保障はDIMEからDIME “T”へ
おわりに──本書の目的とその概要
第Ⅰ部 ドローンの基本をおさえる
第1章 ドローンとは何か[古谷知之]
はじめに──「ドローン」の概念整理
1.ドローンの特徴
2.忍び寄るドローンの脅威
3.戦場におけるドローンの優位性
4.無人アセット能力を活かすための環境整備を
第2章 国際法と軍用「ドローン」──軍備管理の可能性[佐藤丙午]
1.法的規制の俯瞰的考察
2.「戦場の範囲」をめぐる考察
3.責任ある「人間の関与」をめぐる諸課題
おわりに──軍備管理軍縮の可能性
第3章 ドローン技術の管理──無人航空機の輸出管理から見る[森本正崇]
はじめに
1.ドローンに関連する輸出管理
2.輸出管理の意義と限界
3.無人航空機の輸出管理をめぐる問題
4.実効的な技術管理に向けて
おわりに
第4章 戦術・作戦・戦略におけるドローン──イネーブラーか,ゲームチェンジャーか[部谷直亮]
はじめに
1.戦術・作戦における機能及び特徴
2.戦略における機能及び特徴
3.戦術・作戦・戦略における機能及び特徴が示すもの
4.ドローンは戦争におけるイネーブラーであり,ゲームチェンジャー
第Ⅱ部 各国軍におけるドローン
第5章 ウクライナとロシア──戦争から見える無人航空機戦力化の論点[高橋秀行]
はじめに
1.開戦前──両国の軍改革に見るUAV戦力化の優先順位の違い
2.開戦初期──火力とC2を同期させたUAV
3.UAVと衛星の連携──有形,無形の情報優越の獲得
4.「新世代型」と「旧世代型」の相違の顕著化
5.低コスト化と「旧世代型」化
おわりに
第6章 アメリカ──9.11以降のドローンの開発・運用[福田毅]
はじめに
1.9.11後の軍事作戦とドローン
2.テロリストの標的殺害
3.ドローン政策の展開
4.ドローン関連技術の開発事例
おわりに
第7章 韓 国──ドローン導入を加速化させる背景と実際[伊藤弘太郎]
はじめに──人口急減社会と将来戦に備える韓国軍
1.将来戦へ向けた軍によるビジョン策定
2.将来戦へ向けたドローン開発
3.北朝鮮無人機による韓国首都圏上空への侵入
おわりに
第8章 中 国──「智能化戦争」を見すえたドローンの活用[飯田将史]
はじめに
1.ドローンへの期待を高める中国軍
2.中国におけるドローンの開発状況
3.活発化する中国の軍用ドローンの運用
おわりに
第9章 トルコ──国産化とドローン・ディプロマシーの展開[牧田純平]
はじめに
1.ドローン国産化の歴史
2.トルコ軍によるドローンの軍事利用
3.輸出の拡大とドローン・ディプロマシーの成立
おわりに
第Ⅲ部 ドローンの将来性
第10章 国際平和活動におけるドローンの活用[西田一平太]
はじめに
1.国連PKOにおけるドローン活用
2.非国連統括型の平和活動と人道支援活動における活用
おわりに
第11章 テクノロジーと人間の問題──遠隔操縦航空機の事例から見る[奥山真司]
はじめに
1.テクノロジーと人間
2.心理的なストレス
3.戦士の名誉
おわりに
第12章 戦場で使われる「民生用」ドローン技術──軍民両用技術の現実[平田知義]
はじめに
1.軍民両用(デュアルユース)としての民生用ドローン
2.先端/汎用技術と民生用ドローン
3.国内ドローン活用における規制と課題
おわりに
第13章 人工知能とドローン[川岸卓司]
はじめに
1.人工知能の概況
2.陸・海・空のドローンへ適応する際の課題
3.人工知能開発の指針とドローンへの適応課題
おわりに
終章 「安全保障イノベーション・エコシステム」の確立を[古谷知之・佐藤丙午・渡辺秀明]
はじめに
1.社会的インパクト投資として有望な「安全保障」
2.欧米における防衛投資強化の取り組み
3.安全保障イノベーション・エコシステムに必要な要素
4.防衛生産基盤を強化する上での我が国の課題
5.日本で安全保障イノベーション・エコシステムを構築するには
おわりに
あとがき
執筆者紹介