杉山 大志 (著/文 | 編集) / 川口 マーン 惠美 (著/文) / 掛谷 英紀 (著/文) / 有馬 純 (著/文) / ほか (著/文)
出版社 宝島社
ISBN 978-4-299-03621-6
価格 本体1,400円+税
発行 2022年11月初版
杉山 大志
Taishi Sugiyama
研究主幹
筆者杉山大志はいま1人の東京都民として小池都知事が進める新築住宅への太陽光発電義務化に反対する請願を出している。本書冒頭では、その東京都の義務化の問題点を論じた。
次いで、市民団体「全国再エネ問題連絡会」を率いてメガソーラー事業者と対決する山口雅之氏がメガソーラーの乱開発の現状について報告。小池都知事に敢然と立ち向かう上田令子都議は都民を置き去りにした太陽光パネル義務化条例検討の拙速を批判する。
加藤康子元内閣官房参与は国益を論じ再エネ議連に乗っ取られているエネルギー政策の転換を訴える。川口マーン恵美氏はとかく美化されるドイツのエネルギー政策の破綻ぶりを暴く。経済安全保障に詳しい平井宏治氏は上海電力など中国企業の日本へのステルス算入に警鐘を鳴らす。
元経産省でプロの国際交渉官だった有馬純氏は途上国に再エネを押し付ける先進国の二枚舌を糾弾し、元商社で排出量取引の先駆でもあった山本隆三国際環境経済研究所所長は再エネが経済にも電力安定供給にも有害と断じる。
異色の情報学者掛谷英紀氏は、なぜ再エネではバラ色のウソが流布するのか、なぜ御用学者がはびこるのか、鋭く解説する。自ら環境・CSRの実務に携わった藤枝一也氏は、その虚構ぶりを摘発する。ラストはメガソーラーの乱開発に早くから警鐘を鳴らしてきた元産経新聞社の三枝玄太郎氏、太陽光利権に殺到したメディアや著名人が再エネ推進論者になっている構図を示す。
多彩な執筆陣なので、必ずや、読者がまだ知らなかった側面があると思う。手に取って頂ければ幸いである。