英国ブレア＝ブラウン労働党政権は、民営化・地方分権化の世界的動向をふまえつつ、英国独自の「第三の道」として福祉国家の再編に取り組んだ。その政策を最も具現した国営医療（National Health Service）改革に焦点をあて、官民パー トナーシップを軸とした医療提供体制の実施実態と、その医療財政への影響及び改革の成果と限界を、医療の公平性・生産性を中心に、地方自治体が行う介護・福祉との役割分担もみながら、明らかにすることを試みた著作である。

【著者メッセージ】
　この本は英国の国営医療改革に焦点をあてています。英国の医療は国営なので、歳出の中でも医療が大きく占めているため、医療改革をみれば、英国の財政が分かるからです。また、この改革は先進国が抱えている、あらゆる財政問題を表わしているとも思います。
　この医療改革は、医療という枠を越えて、財政のさまざまな問題解決のヒントが含まれていると思います。