本書は2012年6月に立ち上げられた日中資本市場協力研究会（公益財団法人資本市場研究会主催、座長＝小川英治一橋大学副学長）に参加した、中国金融に関する有識者の所見をまとめたものである。CIGSの瀬口清之研究主幹は第5章「中国における日本企業の資金調達の現状と課題」および第10章「今後の日中経済関係を展望する」の執筆を担当した。

　第5章では、日本企業が中国で実際に資金調達を行う時の具体的な方法と制度上の課題等を整理した。これは瀬口清之研究主幹自身の出張時に面談した金融機関や企業の方々から伺った内容を研究会の場で発表した時の議事録をベースにとりまとめたものである。第10章では、日本企業にとっての中国市場の位置づけ、日本企業が日中関係において果たすべき役割など、今後の日中経済関係について中長期の観点から所見を述べた。その他の章も日本を代表する第一線の専門家が執筆しており、参考になる情報が盛りだくさんの有益な実務書である。