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CIGS スティーヴン・ヴォーゲル セミナー 「日本経済のマーケットデザイン」

2019年1月15日(火) 14:00 ~ 16:00 開催
会場:キヤノングローバル戦略研究所 会議室

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(左からヴォーゲル氏、瀬口研究主幹)

開催概要
題目:「日本経済のマーケットデザイン」
発表者:スティーヴン・K・ヴォーゲル(カリフォルニア大学バークレー校 教授)
モデレーター:瀬口 清之(キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)


プログラム
ProgramPDF: 399KB


発表資料
発表資料(日本語)PDF: 1.17MB

要旨
要旨PDF: 346KB

セミナー概要
本講演では、1990年代以降の日本で問題となっている4つの謎に言及していく。
1)なぜ規制緩和が経済を再活性化させてこなかったのか
2)なぜ労働市場の改革が生産性を向上させてこなかったのか
3)なぜコーポレートガバナンスの改善が企業業績の向上に結びついてこなかったのか
4)なぜ日本ではシリコンバレーモデルを真似ることができなかったのか
この4つの謎は、マーケットデザインに由来する。このマーケットデザインというコンセプトは、高度産業国家である日本や米国の市場を理解するために役に立つ上に、現代社会の問題への解決策を提示するために必要不可欠である。マーケットデザインをマスターする国家は、経済成長・イノベーション・社会福祉・格差の是正・治安の安定・環境保護など幅広い分野で成功することができる。日本に必要なのは規制緩和の断行やアメリカモデルを模倣することではなく、マーケットデザインの再構築であると考える。


講師紹介
スティーヴン・K・ヴォーゲル(Steven K. Vogel)
カリフォルニア大学バークレー校教授。同校の政治経済プログラム学科長。プリンストン大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校でPh.D.取得(政治学)。専門は、先進工業国、特に日本の政治経済。ジャパン・タイムズ記者、フランスでのフリージャーナリストなどを経て現職。『ニューズウィーク日本版』や朝日新聞のコラムニストも務めた。2018年に日本研究への貢献で外務大臣表彰を受賞。邦訳された著書に、『規制大国日本のジレンマ 改革はいかになされるか』『新・日本の時代 結実した穏やかな経済革命』『日本経済のマーケットデザイン』などがある。