イベント開催報告  財政・社会保障制度

国際公共経済学会 第32回 研究大会 パネルディスカッション 「新しい公営化の潮流と変貌する社会経済システム」

2017年12月9日(土)・10日(日) 開催
会場:立教大学 池袋キャンパス

2017年12月9日、10日に、国際公共経済学会第36回研究大会が開催されました。
キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)の柏木 恵研究主幹は、12月10日に開催されたパネルディスカッションでコーディネーターを務めました。

「働き方改革」

コーディネーター:
 柏木 恵(キヤノングローバル戦略研究所)


パネリスト:
 武川 克哉氏(関電システムソリューションズ 株式会社)
 村上 陽子氏(日本労働組合総連合会)
 北島 健一氏(立教大学)

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大会趣旨

2008年の金融危機以降、世界中で「再公営化」(re-municipalization)の動きが顕著になり、大きな注目を集め始めている。フランスやドイツで水道事業や電力を再公営化する自治体が登場し始めた(2010年パリで水道事業、2013年ハンブルグで電力事業、等々)。先進国のみならず、東南アジア、南米、アフリカ諸国でも同様の動きがある。2015年、インドネシア憲法裁は民営化を盛り込んだ水資源法を違憲とした。一方、ソーシャルエコノミーに関しても、金融危機以降、「社会的経済(SE)」や「社会的・連帯経済(SSE)」に関する枠組み法を国や地域レベルで制定する新しい動きがみられる(南欧や南米を中心に)。その背景の一つには、貧困などの社会問題に取り組むソーシャルアントルプルヌールシップ(ソーシャルビジネスSBや社会的企業)あるいは連帯経済の活動の80年代以降の発展がある。金融危機以降は国連などの国際機関もSSEやSBに注目し始める。世界的に現れつつある「新しい公営化」の潮流、さらにはSSEの台頭をどのように捉えればよいのか。1980年代以降の新自由主義思想に基づく民営化、規制緩和、官民連携の流れからの転換の始まりを示唆するのか、それとも一時的な揺り戻しでしかないのか、ともに考えたい。

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